「オンラインでの個人情報の共有」日本の約3人に1人「していない」と自認 NordVPN調査
NordVPNは2026年7月14日、「Life online 2.0」の結果をもとに、日本の利用者に見られる「個人情報の共有に関する認識のギャップ」に関する内容を発表した。
調査概要
◆調査名称:Life online 2.0(Lifetime online #2)
◆調査期間:2026年4月1日〜4月17日
◆調査対象国:日本、米国、英国、オーストラリア、カナダ、ブラジル、メキシコ、韓国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、スウェーデン、フィンランド、オーストリア、スイス、ポーランド、リトアニア、アイルランドの20カ国
◆対象者:各国のインターネット利用者(18〜74歳、メキシコおよび韓国は18〜64歳)
◆サンプル数:合計2万54名、原則各国約1000名、アイルランド・韓国・スペイン・スイスは各約800名
◆調査方法:年齢、性別、居住地に基づく割付を行った全国代表サンプルへのオンライン調査
◆調査機関:Cint、Syno International(オーストリア、スイス)、Norstat(リトアニア、ポーランド)
◆出典:日本の利用者に特有の「個人情報の共有に関する認識のギャップ」について(Nordvpn S.A.)
自覚のないまま情報を入力
日本で「オンラインで個人情報を共有したことがない」と回答した人は34%を占めた。これは20カ国平均(10%)の3倍以上で、2位のフランス・ドイツ(各14%)を大きく上回り、対象国の中で最も高い割合となっている。
一方、「共有したことがある」と答えた人が実際に入力した情報を見ると生年月日(52%)、氏名(48%)、住所(42%)が上位に挙がっている。これらの共有率自体は、他の19カ国と比べれば低い水準となった。
しかし、NordVPNはこの結果について「会員登録や予約、配送先の入力といった操作はいずれも個人情報を渡す行為であり、日本だけ『共有したことがない』人がこれほど多いという結果は、共有しているという自覚のないまま情報を入力している人が少なくないことをうかがわせます」とコメントしている。
「出していないつもり」は、危機意識の低さとも重なる。日本で「自分の個人情報が知らないうちにネット上に出ているのではないか」と心配する人は15%と、20カ国で最も低く、平均(28%)の約半分にとどまった。
入力の前に運営元を確認することが重要
こうした「自分は大丈夫」という意識とは裏腹に、偽サイトの手口は年々高度化しつつある。
一部の事例では、被害者の自宅に紙の「お礼状」が郵送され、正規の店と取引したかのような印象を与えることで、不審に思ってカードの利用停止(チャージバック)を申し立てるまでの時間を遅らせる。NordVPNは、広告の透明性ページや画像のハッシュ、サイトに埋め込まれた共通のトラッキングID(Google AnalyticsやMetaのPixel)を手がかりに、無関係に見える複数の店を単一の攻撃者による一連の犯行として突き止めた。
同社はこの手口について「ドメインを立ち上げては広告で集客し、決済を集めて閉鎖する『ヒットアンドラン』を繰り返す構造」と指摘している。
「怪しいサイトは見ればわかる」「自分は個人情報を出していない」という思い込みが強いほど、こうした巧妙な偽サイトの前では警戒が働きにくくなる。価格や在庫、サイトの見栄えだけで判断せず、入力の前に運営元を確認することが重要となるだろう。
夏季商戦に改めて消費者へ注意喚起を
NordVPN 最高技術責任者 マリユス・ブリエディス氏は、本件について次のようにコメントしている。
「収集家は、自分が買おうとしているものに感情移入しています。レアなカードを追いかけている人は、立ち止まってサイトを精査するような心理状態にはありません。攻撃者はそれを分かったうえで狙っています。彼らが突いているのは、技術的な脆弱性ではなく、感情的な脆弱性なのです」
夏季は旅行・宿泊予約、レジャーやイベントのチケット購入、ECのセール、限定商品の購入など、氏名・住所・生年月日・決済情報を入力する機会が1年のうちでも増える時期となる。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)をはじめとする関係機関も、旅行や長期休暇が増えるこの時期に合わせ、情報セキュリティ上の注意を例年呼びかけている状況だ。
EC事業者として、正規サイトであることが分かりやすい情報提供や、顧客への注意喚起など、安全な購買環境を整備したい。


