コロナ禍で伸びる越境EC市場。成長のカギは配送スピードと信頼性

ECのミカタ編集部 [PR]

左:株式会社SAATS 代表取締役社長 林一馬氏
右:DHLジャパン株式会社 営業企画&マーケティング本部 石堂正氏

コロナ禍で世界が混乱する中、越境ECを営む事業者もこれまでのビジネスの見直しを迫られている。越境ECを成功に導くファクターはさまざまだが、本稿ではその中でもキーとなる要素のひとつ「国際輸送」に焦点を当てる。

世界の市場に起こった変化とは? 今、EC事業者に求められていることは? 物流という切り口から、越境ECに精通したeBay公認コンサルタントの株式会社SAATS 代表取締役社長 林一馬氏と、DHLジャパン株式会社 営業企画&マーケティング本部 石堂正氏に話を伺った。

混乱が続く国際物流と成長を続ける越境EC市場

――まずはお二人のご紹介をお願いします。

石堂: 林さんが代表を務める株式会社SAATSは、eBay・Amazonマルチチャネル出品ツールのご提供や、コンサルティング事業を手がけられています。林さんご自身はeBay Japanの公認コンサルタントとしても活動されていて、海外出品を目指す企業様をトータルにサポートされています。

: DHLが国際エクスプレス大手3社のうちのひとつであることは、皆さまご存じかと思います。昨今のコロナ禍において物流各社のサービスが限定的になっているなかで、DHLは動きを止めず、越境EC事業者の海外物流を支えています。石堂さんはそんなDHLの窓口担当として、多くのセラーや関連事業者をサポートされています。


――新型コロナウイルスは、越境EC市場にどのような影響を与えましたか?

林氏: 昨年4月、コロナ禍でEMSのサービスが一時期停止することになり、日本の越境EC事業者は混乱に陥りました。ですが、民間のクーリエ業者に切り替えることですぐ再販できるようになり、市場全体の取引額は伸長しています。アメリカでは巣ごもり需要や国民への給付金が出たこともあり、eBayの取引高が過去最高になりました。eBay Japan提供のデータでも、前年対比で25%ほど伸びています。

当社にも新たに越境ECを始めたいというお問い合わせが増えました。Airbnbのインバウンド需要が壊滅してしまった方、新たなキャッシュポイントを探す飲食店など、さまざまな事業者様が海外輸出を検討しています。円安の影響や副業ブームも参入を後押ししています。商材は日本ならではの商品、例えば中古カメラ、アニメ・漫画、家電やブランド品などが人気です。

石堂: 物流業の視点で見ても、越境EC市場の広がりは実感できます。2020年、DHLは前年比で40%ほど貨物の量が増えました。中長期的に数年後に到達するであろう貨物ボリュームを、2020年のうちに超えてしまいました。2021年については、この数字をさらに上回るペースで推移しています。世界的なロックダウンでオンラインの商品購入が増えたことに加えて、航空機の旅客便が大幅に減ったことも要因だと考えています。旅客便を利用していた配送サービスの代替手段として、DHLにご依頼いただいているのです。

買い物の満足度を左右する「配送スピード」の重要性

――越境ECの国際物流において、重要視されている要素は何ですか?

: 近年、特に重要になっているのが、配送のスピードです。eBayやAmazonではお届け予定日が表記されているので、それを超えてしまうとクレームにつながってしまいます。

石堂: 確かにお届けまでのリードタイムは非常に重要です。とある統計では、高品質なデリバリーを提供すれば、そのショップのリピート率は2倍になるという結果も出ています。

: 越境EC事業者は、「購入した商品はすぐに欲しい」という消費者のためのプレミアムな配送サービスと、「時間がかかってもいいから送料を抑えたい」という消費者のための安価な配送サービスを使い分けています。

ただ、後者の代表格であるEMSは、現在フライトを十分に確保できておらず、物流量が不安定です。さらにEMSの料金値上げにより両社の価格差は縮まっているため、スピードの早い民間のクーリエ業者をメインで運営している事業者は増えています。2021年6月からアメリカ向けEMSのサービスが再開しましたが、その傾向は引き続き見られます。DHLも配送のスピードがすごく早いですよね。

石堂: スピード感は、当社が強みとしている部分です。DHLでは、お預かりした荷物は基本的に当日のフライトに載せます。例えば日本で月曜日に集荷したら、最短でアメリカなら現地の火曜日、ヨーロッパなら水曜日に配達できます。

――なぜコロナ禍でもそこまで早く届けられるのですか?

石堂: DHLは自社の航空機を運航し、全世界220の国と地域に配達する独自のネットワークを持っています。そのため、コロナ禍にあっても従来と同様のサービスを提供できています。

設備でいうと、国際エクスプレス会社のなかで唯一、東京・大阪・愛知に大規模なディストリビューションセンターを設けています。国内に複数の空港施設があることで、集荷・配達の日数を短縮できるだけでなく、災害に対するリスク分散にもなっています。

東京・新木場の新東京ゲートウェイに持ち込まれた荷物は、全自動で送り先の国に仕分ける最先端の設備を導入しており、1時間で12,000個の荷物を処理できます。荷物の追跡サービスをご利用いただいた方からは「もう飛行機に乗ったの?」というお声をよくいただきます。

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信頼性の高い配送が、EC事業者の利益率を改善する

――スピード以外では、どのような要素が物流会社に求められていますか?

: 信頼性の高さです。追跡番号によるトラッキングサービスの早さや正確性、問い合わせへのレスポンスなども、配送会社の違いが現れやすい要素です。国ごとに運営組織の変わる郵便系サービスと違い、DHLはどの国にも拠点があるので、対応がシームレスだし、そのため誤配などのトラブルにも強い印象です。

石堂: DHLではファーストマイル・ラストマイルの両方において満足度の高いサービスを提供することに取り組んでいます。

集荷からお届けまでの工程を細かく分類し、荷物をお預かりした時点、国内の施設に持ち込まれた時点、施設を出て空港に向かう時点など、スタッフが作業をするたびにログをとっています。そのデータは約20分以内でシステムに反映されるので、荷物の“今”の状態をタイムリーに把握していただけます。

あと特徴的なのは、当社がODD(On Demand Delivery)と呼んでいるサービスです。これは荷受人様がお受け取り方法を選べる仕組みで、日時の指定はもちろん、DHLのサービスセンターでのお受け取り、提携ロッカーでのお受け取りなどさまざまなオプションをご用意しています。日本国内では宅配ロッカーのPUDOステーションと提携しており、全国約2,300箇所のロッカーでお受け取りいただけます。

: こういった仕組みは消費者だけでなく、セラーにとっても恩恵が大きいです。他の配送会社では、何らかの調査を依頼したら、返答までに数週間かかることもあります。これではクレームにつながってしまいます。DHLのように早く、正確にトラッキングできると、何かトラブルがあった際にセラー側がちゃんと「仕事をした」ことが証明できるので、セラー側に非のない場合の返品・返金を防ぐことができます。

“お客様重視”のeBayやAmazonでは、ちょっとでも問題があるとすぐに返品されてしまいます。セラーが“勝てる”可能性があるDHLは、配送料は決して安くはありませんが、返金のリスクを考慮すると、非常にコストパフォーマンスに優れていると思います。

石堂: とある事業者様の事例では、当社の配送を利用したら、他社に比べて返品率が10分の1になりました。返品は増えれば増えるほど利益を圧迫するので、目に見えませんが重要なポイントです。お客様からのお問い合わせを減らすことで、事業者様が本来やらなければならない「モノを売るための時間」に時間を使えるようにもなります。

――ファーストマイルにおけるDHLの強みや特長を教えてください。

石堂: DHLは荷物1個から、トラックで集荷に伺います。これまで配送会社の拠点に持ち込んでいた事業者様にとっては、業務効率の向上が見込めます。

: 荷物1個から来てくれるのはありがたいですね。小規模の事業者も気軽に利用することができます。あとカスタマーサービスも充実していて、こちらの相談に対して親身になって対応してくれます。「必ず届く」ことが重要な、高額商品や一点モノを配送する時にも頼りになるでしょう。

コロナの影響でEMSの物流が不安定な今、それ以外の配送会社を利用することはスタンダードになってきました。これまで廉価な商材を扱っていた事業者も、DHLのようなサービスがあれば、高額な商材を扱うことができるようになります。それは売上の改善、収益構造の改善にもつながります。

越境EC成功のカギは物流パートナー選び

――越境ECを成功させるために、事業者に求められることは何ですか?

: 越境ECのマーケットは拡大を続けていて、新しい事業者も次々と参入している状況です。越境ECで成功している事業者の傾向として、サボらずコンスタントに続けていく方が多いです。頻繁に商品を出品してセラーをメンテナンスしたり、短いスパンで売上などの数字をしっかり把握されている方ですね。

あとは「事業者に寄り添える」パートナーを見つけることも重要です。その点、DHLは単なる物流会社としてではなく、業界全体を見据えて取り組みをされていると感じます。石堂さんにも定期的に声をかけていただいており、そのコミュニケーションの取り方は他社の営業担当には見られないことだと思います。

石堂: DHLでは社内で越境ECに特化した研修を実施し、各国での成功モデルを共有しています。また、「どこの国に何がどれだけ出ている」というデータや、セラーの事例を多く持っているので、それらの情報を事業者様にお伝えするようにしています。

越境ECを成功させるためには、一社で全ての業務を完結させることはできません。各社が手を取り合って情報交換をすることで、日本における越境ECは盛り上がっていくと思います。

越境ECに取り組んでいきたいとお考えの事業者様は、ぜひDHLの営業担当にご相談ください。ある程度ビジョンやフローが固まった状態でご相談いただくのも歓迎ですが、コンサルティングに近い領域も得意としていますので、「越境EC始めてみようかな」くらいの段階でも気軽にお声がけいただければと思います。

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