Yahoo!ショッピングが狙うグループでの価値創出

ECのミカタ編集部

国産ECモールのリーディングカンパニーであるYahoo!ショッピングは、「欲しいものが必ずあって、どこよりも安くて、すぐ届く」というECに重要な3要素を満たしつつ、「楽しい買い物体験」も提供することを目指している。モール内競争が激化する中、Yahoo!ショッピングは事業者と顧客に今、何を伝えたいのか。

出店料無料化で品揃えを拡充

ECには「商品・価格・物流」という3つの重要な要素があります。Yahoo!ショッピングは1999年にサービスを開始しましたが、「まずは品揃えを充実させないと戦っていけない」と考え、2013年に出店料の無料化に舵を切りました。出店料を廃止することで、多くのストアの方に出店いただき、続々と商品ラインナップも増えていきました。

また、ストアが販売価格を下げることが可能となり、価格面での競争力も高まります。あわせて、ソフトバンクスマホユーザーのお客様やYahoo!プレミアム会員のお客様への大型ポイント還元施策も行い、EC顧客とGMV(流通取引総額)の拡大に取り組んできました。

お客様に気付きを与える売場づくり

お客様に気付きを与える売場づくりヤフー株式会社
ショッピング統括本部 マーケティング1本部 本部長
保苅 真一 Shinichi Hokari

どれだけ多くの商品を揃えていても、お客様が欲しい商品を探せなければ意味がないため、最近では「探しやすさ」を意識した売場の工夫にも力を入れています。その一環が、「トクプラ」という冠を付けて、半額以下の商品や掘り出し物を集めたコーナーの開設です。「こんな商品もあったんだ」と、お客様に気付きを与えられるような売場づくりを目指しています。

LINE公式アカウントの活用

昨今は、コロナ禍でのEC市場の拡大に伴ってSNS経由の購買が増えるなど、販売チャネルの多様化が顕著になっています。こうした市場の変化に対応するため、Yahoo!ショッピングではLINE公式アカウントを通じて、ストアがお客様と直接つながれるような取り組みを進めています。

LINE公式アカウントは、ストアからの情報配信だけでなく、問い合わせ対応にも役立つと考えられます。LINEで問い合わせができるようになることでユーザーの利便性が高まるだけでなく、購入前の問い合わせを通じてストア側が「優良な見込み客だ」と判断した際は個別にクーポンを進呈するなど、CRMにも活用できます。

LINE活用で生まれるチャンス

マス商品は価格や配送スピードといったスペックが重要ですが、ニッチな商品の販売においては、お客様とストアのコミュニケーションがより重要になってきます。Yahoo!ショッピングは専門的な商品やニッチな商品の販売も多いことから、ストアとお客様がLINEで直接つながることで生まれるチャンスは大きいと考えています。

LINE公式アカウントの提供を通じて、「お客様とコミュニケーションを取ってリピートにつなげたい」というストアの想いを形にしていきたいです。また、LINEギフトのサービスにYahoo!ショッピングのストアの商品を追加するなど、チャネルの多様化に応じたサービス拡張も進めています。One to OneのコミュニケーションツールというLINEの特色を活かすことで、ECの新しいユースケースになりうると考えています。

ヤマト運輸との連携で物流改善

ヤフーではECの3要素である物流の改善にも取り組んでおり、2020年からヤマト運輸と連携したフルフィルメントサービスをストアにリーズナブルな料金で提供しています。

業界でもナンバーワンの宅配インフラを持つヤマト運輸と提携することで、全国どこでもヤマト運輸による一貫したサービスを提供できる点が強みです。このサービスをご利用いただけば、新規で物流設備を構築する必要もありません。

「楽しい買い物体験」の提供

Yahoo!ショッピングが目指しているのは、「商品・価格・物流」の3要素を満たしつつ、情緒的な買い物体験を提供することです。「欲しいものが必ずあって、どこよりも安くて、すぐ届く」というスペックの追求は重要ですが、お客様は合理的な買い物を求めている一方で、新しい発見やストアとのつながりなどから生まれる「楽しい買い物体験」も求めています。

当社では、LINEやLINEギフトを使った新しいユースケースを生み出すことで、お客様にとっての「楽しい経験」を増やしていきたいと考えています。

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