Web担当者、EC担当者必見カンファレンス ネットショップ担当者フォーラム2014開催

ECのミカタ編集部

2日間50セッションに凝縮した最新ECトレンド


株式会社インプレス主催の、デジタルマーケティングとEC最新情報を網羅したカンファレンス「ネットショップ担当者フォーラム2014」が、11月12~13日の二日間東京で開催された。
オムニチャネル時代を生き抜く、ECサイト構築、マーケティング、ソーシャル、O2O、セキュリティ、物流、決済など、最新ソリューションが集結。EC市場の現状と課題を把握し、その方策を導くネットショップ担当者のためのイベント、EC成功の秘訣を探るEコマース戦略が一堂に集結し、4つの基調講演をはじめ2日間で35のセッションが行われる。同時開催の「Web担当者Forumミーティング2014秋」で行われるセッションを合計すると、実に50セッションものマスでECの今について解説のメスが入る。

ブランド体験の視点から取り組むオムニチャネル

ギャップジャパン株式会社マーケティングディレクター 遠藤克之輔氏


数あるセッション中、ギャップジャパン株式会社のマーケティングディレクター、遠藤克之輔氏を講師にむかえる基調講演をレポートしたい。
「ブランド体験の視点から取り組むオムニチャネル~Gapジャパンの事例から~」と題された同講演では、オンラインだけでなく、どんなヴィジュアルを使ってキャンペーンを進めていくか、メディアで広告を使ってどんな取り組みをするか、インストアでは何をするかなど、全てのマーケティングの施策に携わる氏の話が「オムニチャネルという観点で、色々なユーザーとの接点をどのようにして統合してブランドを体験してもらうか」というテーマで展開していく。

講演項目
・Gapブランドについて
・カスタマージャーニー
・オムニチャネル事例(CRM、EC。ブランド体験)

◆Gapがブランドとして大切にしている部分

1969年、カリフォルニア州サンフランシスコに第一号店がオープンしたGapは、若者達の好む複合ライフスタイルショップとしてスタートした。そのときより大切な価値観かつユーザーに届けたいものは「ユースカルチャー」であり、文化が変わっていった当時の世相、時代の中で自分たちが届けていき続けたいものであったという。当時も今も、「Optimism(楽観的)」「Democracy(民衆的、個人ベースの考え)」「Individualism(一人一人の個性)」の3つの概念を大切にし、ユーザーがGapの服を着たときに、ブランドを通し表現していきたいとしている。

◆カスタマージャーニー

では、Gapの考えや大切な概念を元にしキャンペーンをどのように設計していっているのか。
2014年のホリデーシーズンのテーマは「ギフト」である。家族や親友などへの想いにGapが寄り添っていきたいという前提があり、オムニチャネルという面では、全てのメディアをオンラインのサイトにトラフィックを集めるという施策を行った。ソフィアコッポラを監督に起用しキャンペーンビデオを作成し、YouTubeや様々なソーシャルメディアなどに流しタッチポイントの1つとした。そこからキャンペーンサイトにユーザーを収束させる狙いである。
また、マーケティングプロセスとチャネルの組み合わせを「カスタマージャーニー(顧客が購入に至るプロセス)」」の基本設計と考える。マーケティングプロセスとは、ユーザーが行うブランドとの接点や体験で残るデータのこと、チャネルとはタッチポイントのことである。ユーザーがブランドを知ってからロイヤルカスタマーまで成長していく過程で、どうすればさらに興味を引くブランディングが行え、共にブランドを高めていくことができるかを考える。
オンラインストア、リアルストア、モバイル、ソーシャルメディア、デジタルサイネージなど、客との接点に全てブランドを配置していくことにより、より直感的なコミュニケーションが取れるようになる。それらはテクノロジーとして必要ということでなく、ユーザーにブランドの価値を体験してもらい、現状よりもブランドを好きになってもらい、友達や知人など周りに拡散してもらい、Gapと共にプロダクトを作ってもらうことが大切なのである。そのような競争関係になるために、ユーザーをもっと知っていく必要があるし、知っていくためにはこのように様々なタッチポイントでトラフィックしていくことが重要であるとしている。

◆オムニチャネル事例

GapがCRM施策の中で行っているものに「GAP MEMBERSHIP」というものがある。会員に登録すると履歴に応じたクーポンや限定グッズがもらえるというサービス内容で「ストアでもオンラインストアでももっとおトクにショッピング」をキャッチコピーとしている。
このサービスは、2009年10月に横浜、神奈川の一部店舗でパイロット版の開始がスタートした。非常に好評を受け、2010年10月には全国展開、2014年11月にはローンチより4周年を迎え、登録ユーザー100万人を上回る規模まで拡大していった歴史を持つ。

リアルストアではスマホ上のQRコードを専用リーダーにかざしてもらい、オンラインストアではログインIDを入力してもらう。1つのIDに購買情報を登録していくため、購入金額、回数、利用店舗、頻度、間隔、イベント参加、メールクリック等の「取引データ」と「顧客属性」などをヒモ付けてカスタマイズ施策を実施することができる。
また、得られる特典を「会員になるだけ(ベネフィット)」「買い物に応じて(リワード)」の2種類用意し、それぞれクーポンやギフトなどの特典をゲットできる機会を設けている。オンラインでもオフラインでもGapのユーザーならいつでもこのサービス利用が可能であり、そうすることでよりユーザーの参加ハードルを下げ、結果的にメンバーシップ増員となりデータトラック率にも影響が出る。
ロイヤリティを高めるため、会員限定イベントやキャンペーンにも力を入れている。有名ブランドとコラボし会員限定告知、招待を行ったり、ストアおよびオンラインストア上での新規顧客と既存顧客満足度向上のため、アニバーサリーキャンペーンを実施など行っている。
USの店舗では、昨今日本でも話題の「ネット在庫検索から店舗取り置きサービス」を行い、サービスプロモーションにも積極的に施策を展開している。このサービスは国内実施も検討中である。
日本国内でも、オンライン購入時にメール登録を推奨したり、オンラインオフラインの統合されたコンテンツでのメールニュースの提供、EC購入した商品の返品を実店舗で受け付けるという「リアルストア返品受付」など、ブランディングを重視した展開で上質なUEの提供を目標としている。
ストア、マイクロサイト、各種メディア媒体、App、イベントスペースなど、マルチチャネルで展開されるプレゼントキャンペーンの実施も、もちろんその一環だ。

◆Gapブランドとしてのオムニチャネル

様々な取り組みから行われる各種マーケティングやキャンペーンであるが、基本理念はやはり「オムニチャネルという観点で、色々なユーザーとの接点をどのようにして統合してブランドを体験してもらうか」という今回の講演のテーマへと収束していく。ユーザーにブランドをどう見てもらい、カスタマージャーニーまでのプロセスを踏んでもらうか。それは、日々の取り組みから得られるデータや反省を活かし、次の設定をしていくことが大切であると、遠藤氏は講演を締めくくった。

セッションは多種多様、課題解決策が見つかる


「ネットショップ担当者フォーラム2014」は、この後も様々なセッションが行われた。パンフレットを眺めているだけでも選り好みしてしまうラインナップのため、次回開催時には自分が受講したいセッションを予めあたりを付けておき、当日は効率の良い散策を行った方が賢いであろう。


取材/写真/文:島名


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