通販業界おもしろ今昔物語

小林 憲司 [PR]

小林憲司のコラムはこちら
コラム#4:ブルーオーシャンは越境ECにあり
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コラム#5:「ハロウィン」など、季節商品は本当に儲かるのか?
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コラム#6:仕入れ先には要注意!?ネット通販で避けて通れぬ問題
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私のまわりには、通販のプロと呼ぶべき、通販業界で長年経験を積んで来た先輩経営者の方々がおります。中には30年以上通販業界に携わっている現役経営者もおられ、いろいろと飲みにケーションしながら教えを頂いております。いろいろとお話をお聞きすると、昔はこうだったということを経験談としてお伝え頂けるのですが、今では使えない昔ながらの手法もあり、以前からある手法と、時代に合ったトレンドをうまく組み合わせることが大事かと思っております。今日はそんな通販のプロから聞いたおもしろ経験談をお伝えします。

インターネットがない時代の通販は、お客様に商品のご案内を送るとしても、有料で印刷した紙面を、料金後納で郵送をするという手法しかありませんでした。そのため、紙面を構成する際にも、キャッチコピーをとにかく吟味して費用対効果を上げる努力をされていたようです。しかし、今ではメルマガで商品のご案内はできてしまいますし、お客様へ商品の内容をお知らせするためのランディングページの削除や編集もボタン一つで行うことができるので便利な時代になったものだと仰います。

代金の回収なども今のように多種多様ではなかった時代では、現金書留で先に現金を事務所へ送ってもらい、商品を発送していたということも多々あったようです。これを逆手にとり、現金を回収した書留の封筒を破棄して、お客様からお送り頂いた現金は一切税務申告せずに商品を発送して脱税していた通販会社もあったとか。

また少年週刊誌などに広告を出していた通販会社では若い学生がターゲットだったため、現金の代わりに未使用の切手を送ってもらい、その切手をチケットショップや郵便局で換金して現金にし、税務申告していなかった通販会社もあったそうです。

ある先輩から聞いた話は衝撃です。今から約30年ほど前に、2億3500万円が川崎の竹やぶから出てきたという事件があったのを覚えているでしょうか?このお金はある通販会社のものだったのですが、この話をしてくれた先輩は、実際に竹やぶにお金を置いてきた本人だったというのです。

実はこの日、この通販会社には朝から税務調査が来ており、社長から車のトランクにある2つのバックを川崎市高津区の竹やぶに置いて来るように頼まれていたのでした。しかし、バックの中身は札束だらけで重く、置いて帰るつもりが、崖下の深くにゴロゴロと転がってしまい、行方不明になったのです。

後日バックを引き取りに竹やぶに行ったそうですが、竹やぶだけにタケノコを掘っていた地主に見つかり「何をしているんだ~」と怒られて探すのを諦めたとか。結局、そのお金入りのバックの1つは焼き鳥店店主がみつけて警察に届け、 1億4500万円が入っていたため、騒ぎとなったようです。そして2個目の9000万円入りのバックも5日後に無事に見つかり・・・。

警察では殺人の可能性もあるとして、刑事1課が動いたそうですが、100万円の帯封が大森郵便局のものだったことから持ち主が判明したようです。実はこのお金は脱税したお金だったのですが、国税の方々が見つけることができなかったとして時効が成立したとのこと...

※くれぐれも真似はしないでくださいね。


著者

小林 憲司 (Kenji Kobayashi)

高校卒業後、トラック運転手、訪問販売員、歯科技工所の営業マンを経て2001年に起業。2002年有限会社西日本機能食品開発研究所(現、株式会社新日本機能食品)を設立。ネットショップ向け卸問屋“kenko卸.com”を運営。国内のみならず、海外のECサイトへも美容、健康に関わる商材の卸を行っている。

http://www1.kenko064.com/