マーケプラットフォームのアドエビスにクロスデバイスでの同一ユーザー動向把握が可能になる新機能搭載

株式会社ロックオンは、デバイス・アプリ・ブラウザ間を横断してユーザー行動を可視化する「クロスデバイス機能」を2018年8月より提供を開始することを公表した。

より高精度な広告効果測定・アトリビューション分析の実現が可能に

アドエビスへの新機能追加により、国内の効果測定ツールとしては初めてデバイスやブラウザ間で分断されたユーザー行動の推定を実現。より高い精度な広告効果測定・アトリビューション分析の実現が可能となる。

同社の提供する「アドエビス」は、顕在層向け施策である、刈り取り型広告の効果測定はもちろん、潜在層向け施策であるコンテンツマーケティングや動画広告等、マス媒体であるテレビCMに至るまで、あらゆるマーケティングにおけるユーザー接触ログデータを蓄積することができるソリューションだ。

蓄積したログデータを活用することで、マーケティングパフォーマンス最大化のため、仮説立て・予算最適化・検証を行うマーケティングプラットフォームとなっている。

課題としてのクロスデバイス分析の限界

同社は、総務省が出している「平成29年版 情報通信白書 第1部 特集 データ主導経済と社会変革」を引用し、スマートフォンが消費に及ぼす影響について分析している。

その分析によれば、スマートフォンは消費行動の他に、購入前の情報収集としての利用がある。スマートフォンやタブレットによる情報収集がきっかけで商品購入に結び付いた間接効果は、個人消費額の22%を占めているとされる。

一方で、スマートフォンで情報収集を行ったユーザーが最終的にPCを介して購入に至った場合、従来のCookieを用いた計測では同一ユーザーと見なされないため、デバイスを跨いだ効果測定が難しい状況だった。

同様に、これまで一般的とされてきた”IDやメールアドレスを使ったクロスデバイス分析”では、PC・スマートフォンの各端末で取得したユーザー情報(IDやメールアドレス)を基に同一ユーザーの判定を行うため、情報を取得している限られたユーザーのみが対象となり、活用範囲が限定的だった。

デバイスとブラウザを横断した同一ユーザーの類推を実現

デバイスとブラウザを横断した同一ユーザーの類推を実現

今回、アドエビスに搭載される予定のクロスデバイス機能は、アドエビスが取り扱う年間120億を超える国内のアクセスログデータと3rd Partyデータを、独自に開発したAI(人工知能)へ組み込むことにより、国内の広告効果測定ツールとしては初のデバイスとブラウザを横断した同一ユーザーの類推を実現した。

これにより、クロスデバイスの紐付け対象ユーザーを飛躍的に増加し、より高い精度でデバイス・ブラウザを横断したユーザーの購買行動の分析が可能となったのだ。

デバイスとブラウザを横断したユーザー行動を可視化することで、顧客が商品やサービスを知り、最終的に購買するまでのカスタマージャーニーを正しく捉えることができるようになる。

つまり、アプリ横断を加味した広告効果測定や、デバイスを横断したカスタマージャーニーの分析といった、マーケティング戦略のパーソナライゼーションが実現されることになる。

ロックオン社が提供するアドエビスを通して、クロスデバイス間のユーザー行動を測定できるという今回のニュース。EC事業を行う上でのマーケティング戦略構築の面でも精度向上が期待できることは言うまでも無い。今からこの新機能の実装が楽しみだ。

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