ファッション業界の職種別平均年収紹介

ECのミカタ編集部

総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:峯尾 太郎)が運営するファッション・アパレル業界専門の転職支援サービス「CREDENCE(クリーデンス)」は、「ファッション業界 職種別平均年収2018年版」を公表した。以下、その概要を見ていく。

調査概要

調査期間:2018年1月〜2018年12月
対  象:クリーデンス転職支援サービス登録者
調査方法:登録者の年収データより算出

「CREDENCE」は、パーソルキャリア株式会社が運営するファッション・アパレル業界専門の転職支援サービスだ。2001年のサービス開始より「ファッションは、人が創る。」を理念に掲げ、「ファッションの世界に携わるすべての人たちが、それぞれの持つ能力を充分に活かせるような環境の実現」を目指し、時代の感性をリアルタイムで捉えながら、ファッション業界を支える“人”に関する情報を独自の視点で収集・発信している。

「MD・バイヤー」と「OEM営業」に脚光か

「MD・バイヤー」と「OEM営業」に脚光か

年代別の平均年収を見ると、25〜29歳では、1位は「MD・バイヤー」(388万円)、2位は「プレス・販促」(380万円)、3位は「営業」(357万円)となった。

30〜34歳では、1位は「OEM営業」(467万円)、2位は「MD・バイヤー」(463万)、3位は「営業」(452万円)となり、35〜39歳では、1位は「OEM営業」(563万円)、2位は「MD・バイヤー」(516万円)、3位は「営業」(510万円)という結果になった。

20代後半で最も平均年収が高く、30代前半と後半で2位となった「MD・バイヤー」は、市場動向やトレンド分析、商品開発、販売戦略、さらには予算管理など、ブランドの売上を左右する重要な役割を幅広く担っている。そのため、「MD・バイヤー」は経営者目線や、新しいことを実行し利益を生み出す力が求められることから、高年収につながったと見られるとしている。

30代前半と後半で最も平均年収が高かった「OEM営業」は、仕様書や洋服の構造に関する知識、海外工場との調整のための海外生産経験や語学力などといった幅広い能力が必要な職種だ。そして、「OEM営業」に最も求められるのが、“営業力”だ。

新規の得意先を開拓するフットワークはあるか、また、どれだけの売上を残せるかが重要視されるが、そのためアパレル業界で経験を積んだ30代のニーズが高まり、年収の底上げにつながったと想定されると続けている。

ライフイベントにともなう転職理由が増加

今回の調査に際し、クリーデンス事業責任者である藤田芳彦氏は、次のように解説している。

「2018年は、上期と比較し下期の採用を控えた企業が多く見受けられました。突発的な欠員による採用ニーズや、初めて外部採用を行い組織強化を図ったスタートアップ企業などがあった一方で、全体として多く聞かれたのは『労動力不足は、中途採用だけではなく育成で補う』、『採用はこれまで以上に計画的に行う』という声です。

とくに、『プレス・販促』や『営業』など、2017年に各社が注力していた“売る”力を備えるための職種で、その傾向が顕著でした。そのため、人手がある程度充足し、採用活動が落ち着いたものと想定されます。

一方の転職希望者側では、平均年収からは見えにくいものの、30代後半から給与の格差が拡がり始めていることが分かりました。個人のスキルや成果の違いが主な要因ではありますが、これに加えて育児や介護のため、キャリアアップ・昇給の優先度を下げざるを得なかった、というケースもあるようです。

現に、『育児や介護を考慮しながら働きたい』、『育児や介護が一段落したので腰を据えて働きたい』など、ライフイベントにともなう転職理由がこれまでよりも多く挙がっていました。『働き方改革』の事例は日本社会全体としては増えつつあるものの、アパレル・ファッション業界の振興に向けて、業界全体でより一層取り組んでいく必要があるでしょう」

藤田氏も述べているように、生産労働人口の減少に伴う影響は、EC市場を牽引するアパレル業界にも影を落としている。一方でそれへの対応は、企業や職種によって大きく異なるようだ。育成か新規採用かは、なにも同業界に限らず人的リースの確保を確かなものにする上で、永遠のテーマとも言えるだろう。今後、優秀な人員を確保する上でも、企業側のニーズと求人活動をする側のマインドとのマッチングの精度をいかに実現していくかが重要な視点ともなりそうだ。

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