楽天2026年度第1四半期決算 国内ECはトラベル事業が増収けん引

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ECのミカタ編集部

2026年5月14日、楽天グループが2026年度第1四半期の決算を発表した。全セグメントで増収となり、売上収益は同期における過去最高を更新。国内EC事業では楽天市場の堅調な成長と国内外の需要を取り込んだトラベル事業が収益増を支える結果となった。説明会では、AI活用による広告事業の成長などが、今後の成長をけん引していく見通しを示した。

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連結売上収益が第1四半期で過去最高に

2026年度第1四半期の連結売上収益は前年同期比14.4%増の6436億円となった。フィンテック、モバイルが躍進し、インターネットサービスは前年同期比4.0%増と堅調。連結EBITDAは、前年同期比で36.2%増の1088億円となり、第1四半期として初めて1000億円を突破した。

※画像出典元:楽天グループ株式会社

説明会において、三木谷浩史会長兼社長は楽天グループ独自の「エコシステムのシナジー」を強調した。楽天のエコシステムとは、顧客が複数のサービスを利用することにより相乗効果が生まれ、また顧客基盤の強化につながる仕組みだ。楽天グループでは2020年から2025年の5年間で、3871万人の新規ユーザーを獲得し、新規ユーザーは平均4.6個のサービスを利用している。

三木谷社長は「1つのサービスのみ利用する会員と比較して、2つのサービスを利用する会員は約5.4倍、3つのサービスを利用する会員は13.5倍の楽天グループ売上に貢献している」と、エコシステムのシナジー効果を強調した。

※画像出典元:楽天グループ株式会社

国内ECはトラベルと広告事業の成長が鍵に

国内ECはトラベルと広告事業の成長が鍵に※画像出典元:楽天グループ株式会社

インターネットサービスセグメントの売上収益は3176億円で、前年同期比で4.0%増加している。Non-GAAP営業利益は前年同期比65.6%増の212億円となった。

※画像出典元:楽天グループ株式会社

※画像出典元:楽天グループ株式会社

国内EC流通総額は前年同期比4.8%増の約1.5兆円となった。売上収益は前年同期比4.0%増の2462億円、Non-GAAP営業利益は29.2%増の309億円。

営業利益の躍進について、三木谷社長はトラベル事業の成長に言及した。トラベルは取扱高が前年同期比16.4%増と好調で、インバウンドは69.7%増、国内関連も8.1%増。「Rakuten AI」への機能追加により、ホテル検索の利便性が向上した結果だという。

なお、広告事業が前年同期比13.0%増の619億円と成長している。25年7月より楽天市場のRPP広告へ自動最適化機能を順次導入しており、オンライン・オフラインを含むリッチなデータとAIの組み合わせにより、広告配信の最適化が進み、収益拡大につながっている。三木谷社長は「AIが今後、楽天広告のビジネスを非常に大きく伸ばしていくだろう」と強調した。

※画像出典元:楽天グループ株式会社

AIエージェントの可能性

説明会の後半では、チーフAI&データオフィサーのティン・ツァイ氏が登壇し、AI戦略の詳細を開示した。

楽天には4588万のアクティブユーザーがおり、その共通IDによる独自データ資産をAIと組み合わせ、外部エージェントが再現できない優位性を構築している。また、各領域で深い専門性を持つ特化型エージェントと、複数サービスにまたがるタスクを完了させるスーパーエージェントの両面でAI構築を進め、ユーザーが従来の検索エンジンを経由せず楽天に直接アクセスできる環境を整備。OpenAI、Anthropicなど大手AI企業と早期から連携しつつ、独自のコマース向けエンベディングや日本語トークナイザーをゼロから構築してきた。

※画像出典元:楽天グループ株式会社

ツァイ氏は「すべてのサービスをAIエージェントで強化することを目指しています。我々の究極の目標は、AIの力で人間の創造力を高めることです」と発言し、説明会を締めくくった。

インフレ下でもECは堅調、AIで効率化を推進

質疑応答では、「物価が上昇する中、ECサービス面におけるコスト増や、消費のモメンタム減少へどう対応していくのか」という質問があった。三木谷会長は「インフレ下ではネット購入の価格優位性が高まる見通しを持っています。現に、取引回数も増えています」とし、さらにAI導入によるコスト削減への期待に言及し、「管理可能な範囲のインフレであれば、楽天グループにとって有利に働く可能性が高い」と回答した。

楽天グループは、エコシステムとAI活用を軸に、事業全体の運営方針を引き続き維持する見通しだ。


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