EC担当者の8割以上、ノンコア業務が理由で「売り上げアップの施策」を諦めた経験 シナブル調査
株式会社シナブルは2026年8月5日、「EC・D2C事業者における顧客データ分析と業務リソース」に関する調査結果を発表した。
調査概要
◆調査概要:「EC・D2C事業者における顧客データ分析と業務リソース」に関する調査
◆調査期間:2026年7月1日〜7月3日
◆調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
◆調査人数:1006人
◆調査対象:調査回答時にEC(Eコマース)事業を展開する企業に勤務し、自社ECサイトへのツール導入と、顧客データ分析やCRMを含むマーケティング施策の企画・実行に携わっている担当者・責任者と回答したモニター
◆調査元:株式会社シナブル
◆モニター提供元:PRIZMAリサーチ
◆出典:「EC・D2C事業者における顧客データ分析と業務リソース」に関する調査(株式会社シナブル)
本来の機能を十分に活用しきれていない傾向
「自社ECに導入している各ツールの現在の活用状況」についてたずねたところ、いずれのツールにおいても「導入済み・ある程度活用できている」という回答が4割台を占めた。
一方、「導入済み・十分に活用できている」と回答した人は、自社ECカートシステムが最多となった。反面、CDP・データ統合ツールやMAツールでは割合が低下している。導入自体は進んでいるものの、高度なデータ処理を伴うツールほど、本来の機能を十分に活用しきれていない傾向がうかがえる。

「自社ECに導入しているツール活用における課題」についてたずねたところ、「ツールの管理画面や操作が複雑で分かりにくい(37.0%)」と回答した人が最多だった。
その他、「操作性」や「知識不足」といった属人的・心理的なハードルが、課題の上位に挙げられている。

「データ前処理」に業務時間の6~8割を費やす企業が最多
「自社ECの管理・運用業務のうち、『データの前処理(突合、整形、クレンジングなど)』に費やしている業務時間の割合」について質問。「6割~8割未満(34.9%)」が最も多かった。
「前設問のデータの前処理は、主にどのような手法・ツールで行っているか」という質問には「自社エンジニアが組んだ専用のプログラム(39.9%)」が最多になった。
「エンジニア作成の専用プログラム」を利用する企業が多い一方、「表計算ソフトでの手作業」や「手動でのCSV統合」といった、人的リソースに大きく依存するアナログな手法も高い割合を占めている。

「本当は実施したかった『企画・マーケティング施策・顧客対応』を、データ整備や分析などのノンコア業務(前処理)に追われたことが原因で、諦めた経験はあるか」と質問。8割以上が「頻繁にある(21.4%)」「たまにある(60.2%)」と回答した。
その回答者に対し「ノンコア業務に追われて、結果的に諦めてしまった施策や対応」についてたずねたところ「サイトをより見やすく、買い物をしやすくするための『UI/UXの改善・ページ作り』(51.5%)」と回答した人が最多となった。

4割以上が「MA・CRMツールの見直し・リプレイス」を検討
「もしもデータ処理の時間がシステム化によって削減されたら、どのような業務に時間を費やしたいか」と質問。「新規獲得に向けた施策」よりも、「既存顧客との関係向上」や「サポート強化」に時間を割きたいという意向がうかがえる結果になった。
「自社ECの管理・運用において、改善(効率化・データ活用)のために検討している施策」についてたずねた項目では「現在のMA・CRMツールの見直し・リプレイス(乗り換え)(41.9%)」と回答した人が最多となった。

シナブルは本調査結果について、次のようにコメントしている。
「現在、4割以上の企業が既存ツールの見直しを検討しており、今後求められるのは、専門知識がなくても直感的に操作できる『ノーコードの管理画面』や、施策を自動提案する『AIアシスタント機能』など、現場主導で完結できるシステム環境です。データの統合から実行までをスムーズに行える体制を整え、担当者が本来の企画や顧客対応に時間を割けるようにすることが、今後のEC運用において重要な鍵になると考えられます」
データ活用を支える運用体制を見直し、本来注力すべきマーケティング施策へリソースを振り向けられる環境づくりが重要になるだろう。


