実例から学ぶ、在庫の最適化 【ロジクラ セミナーレポート】

ECのミカタ編集部 [PR]

ECのミカタが毎月開催している業界特化・課題解決型のオンラインイベント「ECのミカタ カンファレンス」。2024年10月に行われた「Shopify活用最前線カンファレンス」には、Shopifyを通じて100社以上に物流DXアプリを提供している株式会社ロジクラの代表取締役、榊間浩人氏が登壇した。テーマは「実例から学ぶ、在庫の最適化」。在庫に関するさまざまな課題解決に活用できるヒントが詰まった同氏の講演をレポートする。

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過剰在庫の課題とその解決方法

事業者の仕入れ予算を圧迫する 過剰在庫はECにとどまらず、モノを扱う全ての企業にとって目を背けられない課題。過剰在庫が収益を圧迫することはわかっているが、そもそも「最適な在庫」を割り出すためにどんなデータが必要なのか、またデータはあるが扱い方がわからないと悩む担当者も多いのではないだろうか。

「『気付いたら売れない在庫がたまっている、効果的な分析の仕方がわからない、そもそもデータ化されていない』といったことはないでしょうか? また、分析する担当がいない、過去のデータがたまっていない、という事業者様の声もよく耳にします。しかし、これから月商5000万円以上を目指す場合、きちんと在庫データを取得し、それを活用できるように準備しておくことが大事です」(榊間氏)。

榊間氏の資料によれば、事業者が抱える在庫の量は業態・商材によってバラつきがあり、対売上比で見ると化粧品小売業界で13.9%、アパレル小売業界で14.2%(ともに上場企業TOP10平均)と高く、小売・卸市場全体では6.5%となっている。では、この在庫を削減するにはどのようなアプローチをとるべきなのか? 榊間氏は「ロジクラ」を導入し、データを活用することで在庫最適化を実践した事例を引きながら解説した。

画像提供:株式会社ロジクラ(カンファレンス登壇資料より データは登壇時点のもの)

在庫管理のPDCAを加速し“生きた在庫”を作り出す

榊間氏は「在庫の分析方法は多岐にわたりますが、分析が次のアクションにどうつながるのかをイメージできていないと、データを眺めるだけで終わってしまいます」と指摘したうえで、“在庫分析のPDCA”を回すことで最適化への道筋を示した。

画像提供:株式会社ロジクラ(カンファレンス登壇資料より)

榊間氏の“在庫分析のPDCA”は以下の流れとなる。
【Plan】消化率や不動日数から仮説を立てて現状の在庫を分類
【Do】分類に応じた施策を行う
【Check】仮説が正しかったのかを振り返り、検証する
【Action】振り返りの結果を次の仮説に反映する

とはいえ、適切な指標選びや仮説立ては簡単ではない。そこで榊間氏が提案する指標が「消化率」と、ロジクラが独自に定義する「販売可能率」だ。

「消化率」は販売数を一定期間に仕入れた在庫数で割った値。対して「販売可能率(※1)」は各商品の販売間隔(どの商品がどのくらいの間隔で何個売れたか)というデータをもとに、商品ごとの今後の販売確率を導く指標だ。この「販売可能率」を用いると、手元にある商品=在庫が売れやすいのかどうかという仮説を立て、その商品に対するアクションを決定しやすくなる。

「消化率と販売可能率から商品をランク付けして分類すると、現状が把握できます。本当に『売れる在庫』なのか、それとも『持っていても売れない在庫』なのかという、在庫の健全性がわかります」(榊間氏)。
※1:販売可能率は造語

画像提供:株式会社ロジクラ(カンファレンス登壇資料より)

施策の実行(Do)においても、消化率と販売可能率を組み合わせることで、施策を打つタイミングもわかるという。「売れやすいほうから、在庫を『売れ筋かつ消化率が高い商品(A)』『売れ筋だが消化率が低い商品(B)』『販売可能性が低い商品(C)』『販売可能性がほぼない商品(D)』に4分類できます。【A】は在庫を拡充すべき商品、【B】は販売チャネルを拡大してプロモーションを強化すべき商品、【C】はセールを打つべき商品、【D】は処分すべき商品と、今後の在庫推移を推測することで論理的に施策を実行できます」(榊間氏)。

その後のCheckとActionのフェーズでは、在庫の過小・過多を振り返って現状の評価基準自体を見直し、次の施策の基準となる指標を決定する。こうした取り組みを通して、ある「ロジクラ」の利用者は、2カ月で19.4%もの不動在庫を削減(金額ベース)できたという。

Shopifyと「ロジクラ」の活用方法

分析によって滞留在庫が減れば利益が生まれ、次の施策に投下できる経営資源も増えるのは納得だが、特に中小企業では有用な在庫データを蓄積すること自体が難しいケースも多い。そこで榊間氏が提案するのが、Shopifyアプリとしても提供されている「ロジクラ」のサービスだ。「ロジクラ」とShopifyを連携することにより、入出荷時の商品在庫のリアルタイム更新や、注文情報の自動連携、Shopify POSの注文情報取り込みにも対応している。各種データをリアルタイムで統合して蓄積できれば、事業者のデータ分析も加速するはずだ。

在庫の最適化は、小売業を営む限り続く終わりのない課題とも言える。Shopifyの標準機能に加え、「ロジクラ」をはじめとする外部機能を活用することで“在庫のPDCA”を回す重要性を伝えるセッションとなった。

画像提供:株式会社ロジクラ(カンファレンス登壇資料より)

榊間浩人(さかきま ひろと)
株式会社ロジクラ 代表取締役 2017年8月にロジクラへ参画しロジクラ事業を立ち上げ。エンジニアとしてプロダクト検証・システム設計・開発を行い、現在の在庫管理SaaS「ロジクラ」をリリースする。 執行役員としてプロダクトチームのリードと新規プロダクトの立ち上げを主に担当した後、2023年5月から代表取締役。

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