2015年度通販市場売上高は5.9%増、2016年は減少?【JADMA調べ】

ECのミカタ編集部

2015年度の通信販売市場の売上高は?

 公益社団法人 日本通信販売協会(以下、JADMA)は、2015年度の通信販売市場の売上高についての調査を行い、その結果を発表した。

 なお本調査は、2015年4月から2016年3月までの結果である。また、通販市場の売上高については会員情報に加え、当協会会員 475 社(調査時点)を対象に行った「第 34 回通信販売企業実態調査」から得た回答の売上部分を先行集計した結果と、 各種調査から推計できる有力非会員190社の売上を加えて算出している。

 推計値については、衣料品や雑貨、化粧品、健康食品などの物販が中心。保険・デジタルコンテンツは、会員売上高に一部含まれている。

結果は、前年比で5.9%増加

 2015年の通販売上高は、6兆5,100億円となり、前年比では5.9%増加している。金額に換算すると前年と比べて3,600億円増加している。

 1998年度はマイナス成長を記録したが、それ以降17年連続して増加傾向が続いている。そして直近10年の平均成長率は6.9%を誇っている。

 JADMAは、市場が拡大した要因として3つの事項を挙げている。

①楽天・Amazon・スタートトゥディ等といったモールというECのプラットフォームを提供している企業が市場へ参入し、拡大のリード役になっていること

②店舗系ネット通販とBtoB系通販が躍進していること

③マーケティングツールからフルフィルメントサービス等、ECサイトツールを提供している企業による通販支援サービスが充実していること

 ③の支援サービスの充実については、日々多くのサービスがリリースされている。最近では、AIを使ったサービスが多い。人工知能を使うことで、ECサイトの運営を効率化したり、顧客によりよいサービスを提供することができる。ヤマト運輸も今年6月より、AIを使ったLINEの荷物問い合わせサービスを提供開始し、多くの企業がAIの可能性を感じていることだろう。

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2016年度の印象、キーワードは“個人消費”?

 一方で2016年度のJADMA会員総売上高は、減少している印象だ。2016年4月は前年同月比-1.6%、5月は-3.1%、6月は-2.5%である。

 経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、EC業界は過去5年間で前年比10%以上で成長してきたのにも関わらず、2015年度においては前年比7.64%増。伸び率が鈍化している。この結果について経済産業省は、個人消費の落ち着きを挙げている。2016年度のJADMA会員の総売上高が減少している理由も、2015年以上に個人消費が落ち着いているからなのかもしれない。

JADMA、2016年4月の総売上高
JADMA、2016年5月の総売上高
JADMA、2016年6月の総売上高


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