EC業界の変化に国が見せる対応とは【経済産業省】

ECのミカタ編集部

経済産業省では、電子商取引・情報財取引等に係る市場の予見可能性を高める観点から、民法等の解釈を整理することにより「電子商取引及び情報材取引等に関する準則」を平成14年以降公表してきたところだが、今回、AIやブロックチェーン等最新技術が取引環境にもたらす変化等を踏まえた改訂を行い、その内容を公表した。

ECをはじめとした電子商取引に関するルール

今回の改訂の中身を見る前に、そもそもの「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」について振り返りたい。同省によれば、「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は、電子商取引や情報財取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめ、関係する法律がどのように適用されるのかを明らかにすることにより、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的として、平成14年3月に策定されたものだ(策定時の名称は「電子商取引等に関する準則」)。

学識経験者、関係省庁、消費者、経済界などの協力を得て、経済産業省が現行法の解釈について一つの考え方を提示することにより、電子商取引や情報財取引等を巡る法解釈の指針として機能することを期待しているという。平成14年3月の策定以降、電子商取引や情報財取引等の実務、関連する技術の動向、国内外のルール整備の状況等に応じて、随時、改訂を行ってきたところ、今回、産業構造審議会商務流通情報分科会情報経済小委員会IT利活用ビジネスに関するルール整備ワーキンググループにおいて得られた検討結果を踏まえ、改訂に至ったとのことだ。

改訂内容の概要

同省の公表資料によれば、今回、改訂されたのは下記の項目になる。

◆1.取引環境の変化に応じた改訂を要する論点
I-10 AIスピーカーを利用した電子商取引(新規)
I-10-1 AIスピーカーが音声を誤認識した場合(新規)
I-10-2 AIスピーカーに対して発注者が言い間違いをした場合(新規)
III-14 ブロックチェーン技術を用いた価値移転(新規)
IV-7 国境を越えた取引に関する製品安全関係法の適用範囲(新規)

◆2.特定商取引法施行規則改正に伴う改訂
I-2-4 自動継続条項と消費者契約法第10条等
II-4-2 特定商取引法による通信販売に係る広告規制

◆3.論点の削除
I-1-3 インターネット通販における分かりやすい申込画面の設定義務(消費者庁のガイドラインを参照しているのみであるため、削除)

◆4.その他
I-1-2 自動継続条項と消費者契約法第10条等(消費者庁のガイドラインへの参照を追記)
I-7-1 ユーザー間取引に関するサービス運営事業者の責任(ユーザー間取引にフリマサービスを含むことを明確化)
II-6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害(ユーザー間取引にフリマサービスを含むことを明確化)

今後の改訂に向けた意見も募集

また、今回の改訂とその内容の公表に際して、同省では、今後の改訂に向けた意見募集を行い、次のようなコメントが出されている。

「『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』については、取引の実務の変化、技術の動向や国際的なルール整備の状況等に応じて、今後も必要な改訂を行う予定であり、改訂に向けた御意見を随時受け付けております」

ECを始めとした電子商取引を取り巻く環境は、仮想通貨の登場や、各ECプラットフォームがAI技術を応用したアイテムを通してそれぞれのエコシステム拡大に躍起となるなど、日々その情勢は変化している。進化を続ける市場の速度に法や公的なルールが追い付かない状況は常に発生しがちだが、経済産業省としても随時その状況をキャッチアップすべく、まい進していることが垣間見える発表となった。

こうした公的なルール作りの透明性が引き続き担保される事と共に、とかく海外勢にくらべて特徴的なビジネスが生まれにくいとされる日本の状況を変えるよう官民共同した取り組みと基盤づくり、そして理念の構築が求められている局面とも言えそうだ。

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