【JD.com】年700%増加。京東PLUS会員が1000万人を突破。満足するから広めたくなる。

ECのミカタ編集部

中国・小売業No.1の大手EC&小売インフラカンパニーJD.com(本社:中華人民共和国 北京市/代表:劉強東)の発表によると、2018年9月、京東の有料会員プログラム「京東PLUS」の有料会員数は中国大陸内のみ、香港・マカオ・台湾地区を除いて1,000万人を突破した。

成長率は年間700%!中国国内初の有料会員プログラム「京東PLUS」

京東集団の運営するECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」は、今や中国市場を牽引する、大型プラットフォームである。EC市場のシェアとしては、国内最大手のアリババの運営する天猫(Tmail)に次いで2位だ。

その有料会員プログラムである「京東PLUS」は、2016年1月より運用を開始。中国EC業界初の有料会員プログラムと言われている。
 
2016年の開始以来順調に会員数を伸ばし、成長率は年間700%を越え、継続顧客は8割近く。2017年10月に実施した調査では、7割以上の会員が「中身が充実している」「コスパが良い」という点から契約を決めたということも判明している。

Amazonの有料会員プログラム、Amazonプライムは2005年の運用開始から12年で世界で1億人を突破している。このままいけば、京東PLUSの成長はAmazonプライムに匹敵するスピードだ。

会員の6割は「京東流・三高」

会員の6割は「京東流・三高」

会員データによると、京東PLUS会員の約6割(65%)が35歳以下で、大都市圏に居住。約9割(89%)が高学歴出身という。これらの背景を持つ会員は消費能力・成長意欲・忠誠心の高い、京東PLUS独自の顧客層、「京東流・三高」。
 
JD.com 副総裁・JD.comプラットフォーム責任者 韓瑞氏によると、「京東PLUSの「三高」の特性は、新しいビジネスの強力な駆動力となっていくだろうと目されている。「三高」が京東の価値観に共感し、自ら創造し発信していくには、さらなるサービスの品質改善が求められる」と語っている。

京東PLUSがもたらす経済効果

韓瑞氏の話を裏付ける事例がひとつある。
 
オランダの電気機器関連機器メーカーであるフィリップス(Philips)は、3月にJD.comで初めて新型コードレス電気掃除機を発売。これに先駆け、発売開始から1週間前に京東PLUS会員に対し優先的に先行販売をおこなった。
 
この販売キャンペーンが功を奏し、先行販売で体験した京東PLUS会員が友人にシェアしたり、商品に対して価値のある提案をしてくれたりと、見事な広告塔の役割を担ってくれたという。

拡散したくなるサービスを

成長著しいJD.comの最大の特徴は、そのサービスの質の高さ。7割以上の会員が満足し、サービスを継続しているという事実からも明らかである。事実、京東PLUS会員には全部で以下の、10のインセンティブが用意されている。
 
・ポイント10倍バック
・年間360元(約5800円)配送費免除
・動画サイト「愛奇芸」VIP会員権
・毎月100元(約1620円)の割引券を提供
・アパレル類の10%割引券の提供
・500万件を超える商品の会員特別価格での購入権
・毎月会員専用の買物日「PLUS DAY」の実施
・24時間会員専用アフターサービスの適応
・商品交換・返品無料引き取り
・生活サービス類特権

中には「お金をかけないと良いサービスが得られないのか」と不満を抱くユーザーもいるだろう。しかし、有料にするにはそれなりの理由があり、そこにお金をかけられるユーザーは良いと思ったものを拡散できる心の余裕も持っている。そうして自発的に拡散してくれるユーザーに対しては、企業もますます優遇したくなる。
 
JD.comのモデルは、今後もEC業界が良いサイクルで発展していく要となるだろう。

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