信用スコア 10代から支持を得るも、約6割が反対

ECのミカタ編集部

Credit Tech(クレジットテック)をリードする、株式会社ネットプロテクションズ(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:柴田 紳、以下「ネットプロテクションズ」)は、「信用スコア」に対する意識調査を実施し、その結果を公表した。

調査概要

ネットプロテクションズによれば「信用スコア」とは、個人が持つ様々な情報を収集し、その情報をAIが分析・点数化し、個人の社会的信用力を測るものだ。その「信用スコア」に応じて、特別金利での融資の提供が受けられたり、転職時や、婚活マッチングサービスで希望が通りやすくなったりするなどのメリットがある。

海外では、中国を始め欧米などでも「信用スコア」の利用が普及しつつあり、実際にスコアリングサービスが提供されている。近年、日本でも、みずほ銀行とソフトバンクが共同出資で立ち上げた「J.Score」に続き、NTTドコモ、Yahoo!やLINEなどが参入を表明するなど注目が高まっているとしている。

【調査概要】
調査名:「信用スコア」に対する意識調査
調査方法:当社独自のインターネット調査
調査期間:2018年9月26日~9月30日
調査対象:全国の男女720名(男女360人ずつ、15-19歳、20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上の区分ごとに120人ずつ)

『信用スコア』という言葉を聞いたことがありますか?

『信用スコア』という言葉を聞いたことがありますか?

「様々なデータを計算し、個人の持つ信用度や可能性を数値化した『信用スコア』という言葉を聞いたことがありますか?」という質問に対しては、21%の人が「はい」と答えた。

全体では、15歳-29歳の若年層は28%が「はい」と回答しており、15歳-19歳と60歳以上では倍以上の開きがあったた。また、男女の比較でも、男性全体の28%が「はい」と回答しており、女性全体と倍以上の開きがあるという結果になった。同社では、「信用スコア」に対する認知度に男女や年代で大きな開きがあるのは、仕事やインターネットで情報に触れる機会が多いからかと分析している。

「信用スコア」を知ったきっかけは?

「信用スコア」を知ったきっかけは?

「Q1で「はい」と答えた「信用スコア」という言葉を聞いたことがある人へ「信用スコア」を知ったきっかけを質問したところ、「信用スコア」に関するニュースを目にしたことがきっかけとなった人が圧倒的で57%もいる一方、実際に利用したことがある人は15%程度という結果になった。

また、その他では「授業で習った」や「Youtubeで見た」などの回答があった。 「信用スコア」をニュースなどで存在は知っているが、実際に使ったことがある人の割合が少ないのは、多くの人が利用したいと思うほど、サービス自体の数が少ないことや、「信用スコア」に対する疑念の払拭ができていないためと考えられると分析している。

信用スコアを算出する上で提供可能な項目は?

信用スコアを算出する上で提供可能な項目は?

信用スコアを算出する上で、提供可能な項目を質問したところ、「年齢(67%)」や「学歴(45%)」、「職業(52%)」が提供可能との回答が多い一方で、SNSでの交流関係(14%)や現在の資産状況(18%)については提供可能と回答する人が少なく、消極的な傾向が見てとれた。その他では「個人情報は何も提供したくない」という声もあった。

「信用スコア」のために提供可能と考える項目で、年齢や学歴、職業などの提供をためらう人が少ない理由としては、年齢や学歴、職業は、これまで個人を説明する情報として社会的に提示する機会が多かったことから、開示に対して心理的ハードルが低いのだと分析している。

それに対して、SNSなどでの交流関係の提供や現在の資産状況の開示に抵抗を示す人が多いのは、自分だけでなく周囲の人間との関係性までも監視されていると感じたり、資産状況の開示により利便性を感じる機会が乏しく、むしろ不利益を被る可能性があるのではないかと懸念したりするためと同様に分析している。

信用スコアの普及への賛否は?

信用スコアの普及への賛否は?

全体では36%が「信用スコアの普及について」賛成と答えたが、年代・性別では倍以上の差があり、全体の15-19歳は58%が、20-29歳は43%が賛成と回答している。また、男性の39歳以下は過半数が賛成と回答し、男女の差が明確に出る結果となった。

「賛成」の理由は?

「賛成」の理由は?

信用スコアの普及について「賛成」の理由として、「真面目に生きている人が評価される社会になるのはいいことだから(51%)」が最多の結果となり、次いで「高いスコアであれば様々な優遇を受けられそうだから(38%)」という結果だった。

その他では「今後の世の中は情報開示が求められる時代に変わって行くと思うから」や「当たり前のことを当たり前にできている人の評価が上がるから」という回答があった。

「信用スコア」の普及に賛成の人の理由を見ると、個人的なメリットよりも、社会全体に与える良い影響に対して賛成と答えている人が過半数を超えている。「信用スコア」の活用において「より良い社会になる」ことを特に期待している実態が分かるとしている。

信用スコアの普及について「反対」の理由は?

信用スコアの普及について「反対」の理由は?

信用スコアの普及について「反対」の理由として、過半数の人が「個人情報を共有することに抵抗があるから(51%)」と回答するほか、「監視されているようで気持ちが悪いから(47%)」が続いた。その他では「スコアに応じてサービスが変わるのは不平等に感じるから」や「信用スコアのことを知らないから」という回答が得られた。

このことから、日本において「信用スコア」が普及する際には、欧州で施行されたGDPR*に代表されるように、個人情報の提供可否や利用可否を個人が選択できるあり方が重要視されると考えられるとしている。

*GDPRとは欧州で個人データの取得や利用に関して、個人が選択できるよう、企業に様々な規制を規定した法律のこと

信用スコアに期待することは?

信用スコアに期待することは?

「『信用スコア』に期待することとして「モラルの向上や犯罪の減少(31%)」、「学歴にとらわれない就職・転職(31%)」、「特別価格にて商品購入やサービス利用、クーポン取得が可能(29%)」などに多くの回答が集まった。また、その他では「相手の事をある程度始めから知る事が出来る安心感」という回答が得られた。

以上の結果より、就職や、犯罪の減少など今現在多くの人が感じている世の中の課題解決を望む声が多い一方で、それだけでなく、クーポン取得などの短期的なメリットへ期待する人も多いことが分かったとしている。

実際LINEが発表した「LINE Score」は、消費者が短期的にメリットを感じられる個人向けローンサービスの提供を予定している。日本においては、「信用スコア」は世の中の課題解決に寄与するものであるという認知獲得のもと、消費者が短期的なメリットを感じられるようなサービスを提供することで「信用スコア」が受け入れられやすくなると分析している。

自分の信用力は、どのような項目で評価されるのが理想?

自分の信用力を評価する理想の項目に関して質問したところ、以下のような回答が得られた。

◆経済状況から評価されるもの

・毎月、国民年金をきちんと払っている

・確定申告書での信用度 労働収入がなくても労働外収入での信用度でローンが組めるかなど

・信用力というものが、社会における人間の関係に溝を作るようなものであれば、反対である。
 信用力がないとされた人間には冷たい社会になれば、今以上の格差が生じるだろう。
 なので、信用力の評価は、払うべきものを払っているか、例えばスマホ代金やクレジットの延滞などにとどめるべき。

◆経済状況以外で評価されるもの

・友人の評価

・現在持つ資格やスキル

・職場での評価や実績

・学歴で判断しないでほしい。家庭の事情で、能力があっても、大学にいかずはたらかなければならない人だっている。それでも大卒でないと試験を受ける資格がなかったりする。大卒が資格級なのはわかるが、昇給や収入で、同じ勤務年数でも差が激しいのは納得いかない。

・8年間も専業主婦をやっており、職についていないので、正直 自分の信用力をどうやって評価して頂くかは難しいです。普段の生活スタイルやお金の使い方などで判断して頂くしかないかな…。

・趣味熱中度

・人間性

・歴史が好きで勉強をしているが、歴史の研究職に就くには学歴が足りないらしいので、学歴などでなく純粋に歴史の知識で自分を評価してくれるなら理想的

・会話内容、考え方、など

・特技など、自分の持っている力を発揮出来ること

・ライフワークバランス

・誠実な行いや生活による信頼のある人格

・まじめに生きていること。ずるい人が優遇されない社会

・学歴や生まれ育ちなどは関係なく個人の個性をしっかりみて欲しい

・生き方の理念

信用スコアの浸透には一般からのさらなる理解も必要か

調査結果にある通り、約20%の人が「信用スコア」を認知しているが、男女で倍以上の開きあり「信用スコア」を知ったきっかけは過半数がニュース、知っていても実際に使ったことがある人は少数だった。

また、「信用スコア」を算出する情報として提供可能と考える項目のうち、年齢、職業については過半数が提供可能と回答。一方「SNSなどでの交流関係」や「現在の資産状況」の提供には消極的な人が多く、全体では「信用スコア」の活用に対して反対が多い一方、男女で大きな差があり、男性の若年層の過半数は賛成であり、「信用スコア」によって良い社会になることを期待、反対派は監視社会のようになることを懸念していることが浮き彫りとなった。

「信用スコア」への期待としては、「モラルの向上や犯罪の減少」や「学歴にとらわれない就職・転職」など、現状の課題解決を望む声が多数となった。

同社では、個人の信用情報を点数化する「信用スコア」の認知度は2割程度だったものの、「信用スコア」について約3割の人が賛成しているほか、ニュースを通して存在を知る人が多い実態などが分かったとしている。

一方、実際に使ったことがある人の割合が少ない点においては、多くの人が利用したいと思うほど、サービス自体の数が少ないことのほか、監視社会への不安の声など「信用スコア」に対する疑念の払拭ができていないことなどが要因と考えられ、「信用スコア」の普及には、個人情報の提供可否や利用可否を個人が選択できるあり方が必須であることがうかがえるとしている。

また「信用スコア」に対して、就職や犯罪の減少など、世の中の課題解決を期待する声も多く、実際の導入にあたっては、まずは社会的なメリットが多い場面での活用から進めていくことが現実的だと分析している。

信用スコアに対しては、個人の金融面や経済面での信用を定型化するという意味において、一定の抵抗感があることが浮き彫りとなったが、信用スコアの浸透は、ECなどネット取引やネットを介した金融関連サービスを利用際には大きな利便性ももたらすことになるだろう。今後いかに信用スコアが日本社会に受け入れられるかは、まずはそれへの理解を求めることが重要とも言えそうだ。

 


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