ECを牽引するアパレルの現状はいかに

ECのミカタ編集部

楽天インサイト株式会社(本社:東京都世田谷区/代表:田村篤司、以下「楽天インサイト」)は、「ファッションに関する調査」をインターネットで実施した。

今回の調査は、2019年1月28日(月)と1月29日(火)の2日間、楽天インサイトに登録している約220万人のモニターの中から、全国の20代から60代の男女1,000人を対象としている。

通常のアンケート調査に加え、「イノベーター理論」に基づいた総合調査ソリューション「イノベーターマーケティング™」を用い、対象者を情報感度の高さ別に5つの層に分類することで、実際の消費行動に基づいた分析を行った。

「イノベーター理論」に基づく分析で、結果の違いが顕著に

「イノベーター理論」に基づく分析で、結果の違いが顕著に

生活者を新しい商品や情報に対する感度別に分類する理論を、「イノベーター理論」と呼ぶ。

「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5つの層に分類する。

実際の消費行動に根ざした分類方法であり、調査の結果に大きな違いが見られる。

特に最も情報感度の高いイノベーター層は、他の層に比べてファッションに対しては敏感であることが数値からも明らかだ。

服の購入頻度についていえば、トップス、ボトムス、インナー、靴といずれも他の層に比べて高い頻度で購入しており、靴1足の平均購入予算だけ見ても約1.5倍と、顕著な違いが見られる。

「パートナーに対してオシャレでいてほしい」という回答も約8割。
ファッションアイテムを選ぶ際、全体では半数以上が「他人からの印象はあまり気にしない」と回答したのに対し、イノベーター層のみ1割程度と著しく低い結果になったことからも、ファッションに対して敏感であることが伺える。

ファッションの中心もインターネットに

ファッションの中心もインターネットに

調査の結果から、ファッション市場の中心もインターネットに移りつつあることがわかった。

ファッションアイテムを購入する際の購入場所については、いずれのアイテムも全体では「ショッピングモール」が最も多いが、次いで多いのが「インターネット通販サイト」だ。

ファッションの情報源については、「参考にしているものはない」の回答が約4割である一方、女性の20代・30代が最も参考にしているのはInstagramなどのSNSで、約6割が参考にしているという結果に。

ファッション市場もいよいよEC中心になるか

国内ECの中で最も市場の大きい商材であるアパレル。その分携わる事業者も多い。しかし、課題も多く実店舗のようなサイズ計測が難しいことや、返品文化が定着していない分、試しに購入といった消費行動が起きにくい。

テクノロジーの発展、インフルエンサーから発信される生の情報などでより身近になりつつあるアパレルECだが、今回の調査を見てわかるようにいかに実店舗と絡めた戦略を行えるかだろう。

どんなにアパレルECが発展しても、実店舗がなくなることはないだろう。ECをいかに有効に利用するか、多くの事業者は改めて自社の状況を見返してみてはいかがだろうか。

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