3割の生活者が「タイミングによって購買時の『重視点』を変更する」 博報堂調査
株式会社博報堂(以下、博報堂)とBraze株式会社(Braze)が推進する共同研究プロジェクト「カウテックプロジェクト」は、2026年9月15日、購買意識の変動を追跡した調査結果を発表した。
調査概要
◆調査手法:インターネット調査(同一対象者へ時期をずらして計3回実施)
◆調査地域:全国
◆対象者:15〜69歳の男女
◆サンプルサイズ:3回目まで回答完了者3590名(性別×年代×エリアの人口構成比に準拠して回収)/各カテゴリ分析対象は普段利用者(ファッション:2891/外食:3027/食品・日用品:3460)
※分析対象者は、同居家族モニター属性とアンケート回答(1~3回)が一致した人のみ
◆調査ボリューム:各回20問
◆調査時期:2026年3月6日~3月17日
◆調査主体:博報堂・Braze
◆調査実施機関:株式会社インテージ
◆出典:購買意識の変動を追跡した大規模調査(株式会社博報堂 他)
「欲しいタイミング」でメッセージが届いていない
スマートフォンやPCを使用しているときに企業から届く、案内やクーポン、広告について「受け取りやすい方法で届くことが多い」と感じる人は45.5%を占めた。
一方、「自分向きのものが届くことが多い」は26.9%、「欲しいタイミングで届くことが多い」は21.5%にとどる。
博報堂はこの結果について「企業と生活者をつなぐ『届け方』の整備が進む一方で、『いつ・何を届けるか』には、まだ改善余地があることがうかがえます」とコメントしている。

その時々で変化する「購買時重視点」
さらに、同一の生活者に時期をずらして3回調査を実施。購買時に重視する項目について「重視する/しない」の回答がどう変化するかを追跡した(調査対象の消費カテゴリは、ファッション、外食・テイクアウト、食品・日用品の3つ)。
3回すべてで「重視する」と答えた人の割合を「常時重視率」(3回の調査でいずれも重視した人÷回答対象者)、回によって入れ替わった人の割合を「重視点スイッチ率」(調査回によって重視有無がスイッチした人÷回答対象者)として定義し、以降の分析に用いている。

1回目の調査で、ファストファッションのみ利用者が最も重視していたのは「コスパのよさ」「着心地の良さ」「丈夫さや長持ちする」の3項目となった。
なお、ファストフードのみ利用者、スーパーのみ利用者についても購入・利用対象の商品カテゴリが変わっても、購買時に重視する上位3項目の重視点スイッチ率が3〜4割であることが確認されている。
この結果について博報堂は「普段利用する業態が1つであっても、生活者が購入・利用時に重視することはその時々で変化することが示唆されました」とコメントしている。

9割以上の生活者で何らかの重視点がスイッチ
続いて、1人の生活者の中で何項目の評価がスイッチしたかを確認。3回の追跡調査を通じて、各生活者が「重視する/しない」の評価をスイッチした項目数を集計した。
平均ではファッションで6.4項目、外食・テイクアウトで6.9項目、食品・日用品で6.5項目に関して重視するか否かの評価が、スイッチすることが明らかになった。
変化の分布を見ると、3カテゴリすべてで「5〜8項目スイッチした人」が最も多く、ファッション41.2%、外食・テイクアウト37.3%、食品・日用品41.0%を占めた。一方、1項目もスイッチしなかった人は1割に満たず、9割以上の生活者で何らかの重視点がスイッチしている。

博報堂は本調査結果について、次のようにコメントしている。
「過去の属性データや購入履歴をもとに、どれほど細かく顧客をセグメンテーションしても、刻々と変わる『今の状態』を常に正確に捉えることは難しいという課題が示唆されます。過去のデータから『この人にはこれが響く』と判断して同じ訴求を続ければ、その時の重視点とずれ、的外れな情報となり、わずらわしさや不快感につながる可能性もあります」
博報堂とBrazeが推進する共同研究プロジェクト「カウテックプロジェクト」では、「誰に」に加えて「いつ・何を届けるか」を捉え、生活者の“今この瞬間”にメッセージを同期させる「シンクロナイズ」への転換を提言している。本調査は、過去の購買履歴や属性だけでは捉えきれない生活者の変化を示す結果となった。施策検討の際に、ぜひ参考にしたい。


