担当者の7割以上「ECカート運用後の品質低下」実感 ECマーケティング調査
ECマーケティング株式会社は2026年6月17日、ECカートの不満要素改善ニーズの実態に関する調査結果を発表した。
調査概要
◆調査回答者:国内20代~60代の有職者(業務でECカートシステムを使用)
◆有効回答数:199名
◆調査期間:2026年3月26日~3月27日
◆調査機関:ECマーケティング株式会社
◆出典:ECカートの不満要素改善ニーズの実態(ECマーケティング株式会社)
複数カートの利用経験者が多い
本調査ではまず「運用ECサイトの年商規模を教えてください」と質問。「1億円未満」が31.3%で最多となった。一方、「1〜5億円未満」23.7%、「5億円以上」が合計36.3%を占めており、小規模〜中堅〜大規模まで幅広いEC事業者が含まれた。
「利用経験があるECカートをすべて選んでください(複数回答)」については、複数カートの利用経験者が多く、EC担当者が単一プラットフォームに固定されず、比較・乗り換え・並行運用を経験していることがうかがえる結果となった。

スイッチングコストの高さが大きな障壁
続いて「ECカートベンダーの対応に関する不満を教えてください(複数回答)」と質問。「回答が曖昧」(44.4%)が最多となっており、単純なレスポンス速度以上に、「判断材料の不足」や「説明責任不足」への不満が強いことが明らかとなった。
また、「見積もり根拠が不透明」「改善提案が少ない」も高水準でみられている。EC担当者は単なる作業代行ではなく、「改善パートナー」としての役割を期待していることがうかがえる。

「ECカートを見直す場合、動きにくい理由」については、「費用が膨らみそう」が半数以上で最多だった。ECカートの「スイッチングコストの高さ」が大きな障壁になっている様子がうかがえる。
「カスタマイズ再構築負担」「業務フロー影響」「売上減少リスク」など、技術・運用・売上が密接に結びついている。そのため「不満があっても動けない状態」に陥っている企業も少なくない。

「小さな不満の蓄積」が業界全体の課題に
「ECカートシステム業界またはベンダー対応について、ご自身の実感に最も近いものをお選びください(複数回答)」と質問。「改善したいことがあってもすぐ動けない」「ベンダー対応にばらつきがある」がともに39.8%で最多となった。
ECマーケティングはこの結果について「多くのEC企業が『現状維持はできるが、改善速度が足りない』という停滞感を抱えていることを示している。大きな障害ではなく、『小さな不満の蓄積』が業界全体の課題になっている点が特徴的である」とコメントしている。

また、「構築時はサポートが手厚かったが、運用開始後に対応品質が下がった、と感じたことはありますか」と質問したところ、「強く感じる」「やや感じる」が77.8%となった。多くの企業が「契約前後の温度差」を経験していることが明らかとなった。

本調査によって、ECカート市場は機能競争の時代から、運用品質・改善スピード・コミュニケーション品質が競争力となる時代へ移行していることが確認された。
自社の体制の見直や施策の検討に、本調査結果をぜひ参考にしたい。


