デジタルも人の接客が重要。実店舗DXで創造する価値とは

ECのミカタ編集部 [PR]

デジタルも人の接客が重要。実店舗DXで創造する価値とは 株式会社フューチャーショップ
執行役員 セールス・マーケティング部 統括マネージャー
安原 貴之
Takayuki Yasuhara

コロナ禍で市場が変化する中、オムニチャネルの推進は、実店舗を持つ多くの事業者が抱える課題だ。19年にわたりSaaS型プラットフォームを提供してきた株式会社フューチャーショップでは、現代の変化をどのように捉え、どのように企業のDXを支援しているのだろうか。同社の安原貴之氏に伺った。

DXのゴールは価値を創造すること

「DX」という言葉はバズワード的に使われることが多く、その実態をつかみきれていない方も多いかもしれません。DXのゴールがデジタルを活用した価値創造だとしたら、多くの事業者がその手前の段階で止まっています。例えば実店舗を持っている事業者が、顧客情報をECと統合して、販売プロセスやマーケティングをデジタルで行えるようになった状態。これではただ情報をアナログからデジタル化しただけです。今の時代に求められているのは、顧客とコミュニケーションを取る上で「その事業者ならではの価値をリアル・デジタルに関係なく、いかに提供できるか?」という次のフェーズです。そこに至って初めてDXといえます。

成功しているショップを見ると、自社の強みをしっかりと理解し、その強みから顧客へ提供できる価値をデジタルを使ってどうやって実現できるのかを、現場のスタッフたちがとても真摯に考えています。実店舗を展開する企業の多くは、店頭スタッフの接客が強みと考えていますが、実店舗でのサービスをデジタルで完璧に再現することは簡単ではありません。だからこそ「自社の強みは何か? 提供できる価値は何なのか?」を、現場を含めてしっかり検討する必要があります。デジタル活用はトップの強い意志が必要ですが、DXはスタッフも一緒に取り組んでいくことが必要です。

一足飛びにDXを実現することは難しいので、まず顧客とのどのタッチポイントでデジタル活用をしていくべきかを考えるために有効なのが、カスタマージャーニーマップを作ることです。顧客の行動をデジタルタッチポイントの観点から整理することで、それぞれの接点でのコミュニケーションの取り方が見えてきます。ECサイトはあくまでも接点の一つに過ぎません。インターネット上の消費者行動が検索主体だった時代は、リスティング広告やSEOを頑張ればOKでした。しかし今はスマートフォンとSNSの普及によって、インターネット上にさまざまな顧客接点があり、実店舗・ECを含めた購入というタッチポイントを経た後もジャーニーが続きます。自社の強みを背景とした価値を、デジタルコミュニケーションを通じて提供することで、感動・共感するブランド体験が生まれます。こうした提供できる「価値」は企業それぞれに異なりますので、デジタルコミュニケーションを目的と考えるのではなく、価値を提供する手段として捉え、自社が提供できる価値が何かを考え抜くことが重要です。

ファンが新たなファンを生む。実店舗DXの好事例

当社のお客様でよくご紹介させていただく事例が、海外古着の専門店「古着屋JAM」を運営している株式会社JAM TRADING様(以下、JAM)です。こちらは実店舗もデジタルも含めて、タッチポイントを非常に活用したコミュニケーションをされています。元々ブログやSNSで顧客とのコミュニケーションをとても重要視されていて、今となっては当たり前となったコーディネート情報もずっと以前から積極的に発信していました。在庫管理が難しい一点物の商品を扱いながら、ECと実店舗の間でのスムーズな運用の仕組みも構築しています。

さらに特徴的なのがファンづくりとスタッフ採用です。JAMのスタッフ採用はこれまでずっとSNS経由。ファンの方がSNSを通じてスタッフになることで、今度はJAMの応援者だった人が情報を発信する側になります。元々ファンなので商品やブランドの魅力を発信することは得意です。その発信を見たファンとのコミュニケーションが活発化し、さらにJAMのあらたなファンが増え…という相乗効果が生まれ続ける仕組みを構築しています。

サポート充実のフューチャーショップ

サポート充実のフューチャーショップ

コロナ禍で消費者の行動が変化して、デジタルの顧客接点はより重要になりました。ところがテクノロジーの進化とともにツールは複雑化し、使いこなすのが難しくなっています。ECサイト運営に欠かせないGoogleアナリティクスも設定はしているが見方が分からない、といったお声もよくお聞きします。当社はベンダーの立場としてそんな溝を埋めるべく、EC機能としてのソリューションに加えて、事業者様に合わせたサポート体制を構築しています。フューチャーショップを使いこなしていただくための勉強会(futureshopアカデミー)やセミナーを実施するだけでなく、「やる気はあるけど何から手を付ければ良いか分からない」というレベルのご相談からお受けしています。無料コンサルでも、まずは1注文を獲得するところから二人三脚で取り組んでいます。成長フェーズの事業者様には外部ツールとの連携やマーケティング施策、より専門性の高い領域については外部パートナーのご紹介なども行っています。

実店舗との連携についてのご相談も増えています。店舗数、商材、システムなど事業者様によって課題もさまざまです。当社の「futureshop omni-channel(フューチャーショップオムニチャネル)」の導入支援に加えて、基幹システムやPOS連携のコーディネートをするケースもあります。当社がfutureshopご利用者様に実施したアンケートでは、およそ半数が実店舗を運営しているという結果が出ました。実店舗とデジタルの融合は、業種を問わず多くの事業者様にとって重要なテーマになっていると感じます。

DX実現のためのデジタル活用を支援

顧客とのコミュニケーションの重要性が増している今、実店舗を持っているショップがデジタル活用したいと考えているのは「店舗スタッフの接客」です。感動・共感するブランド体験という観点で人の接客に勝るものはありません。商品購入後に感動・共感をSNSでシェアする消費者行動にも表れているように、人と人とのつながりがECを中心としたデジタルにおいても求められています。商品力と価格だけでは差別化が難しくなった現代では、共感や感動といった“心が動く”要素がないと消費者から選んでもらえません。ECサイトの写真やテキストだけでブランドを表現するのは限界が来ています。

そういった“今”の市場に合った購買体験を提供するためのサービスを、フューチャーショップとしても展開していきたいと考えています。2022年2月にリリースした、実店舗との連携を強化する「店舗受取オプション」や、顧客をより深く理解するためのレポート機能「reports β版」もその一例です。ECだけではなく、マルチチャネルを含むコマース全体を見据えた機能やサポート体制を、これからも拡充していきたいと考えています。

ECのミカタ通信vol.23 ~変化を遂げたEC市場!今後の”あるべき姿”とは~

ECのミカタ通信vol.23 ~変化を遂げたEC市場!今後の”あるべき姿”とは~

本記事は、2022年3月31日に発行された冊子「ECのミカタ通信vol.23」に収録されています。
EC事業者皆様の、今後の”あるべき姿”を追求するテーマの第一弾として、特に「集客・接客」について多くの取材記事を掲載しています。
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