日本最大のハイブランド商品の委託販売及び買取サービス RECLO（リクロ）を運営する（株）アクティブソナーは、全委託出品商品の買取保証サービスを導入したことを発表した。これにより、RECLOへ委託出品は、出品後60日以内であれば当初の査定価格で買取保証がされる。この新たな動きは、CtoC市場やEC業界にどのような影響をもたらすのだろうか。

フリマアプリ市場の問題点を解決

　フリマアプリをはじめとするCtoC-EC市場の拡大の中で、問題となってきたのがハイブランド品の偽物問題だ。個人間取引では、出品者自身が偽物と知らずに出品してしまう場合や、偽物と分かっていながら出品する悪質な場合もあり、それを購入者が判断することも難しかった。実際、アクティブソナーの調査によると、インターネットにおける中古品の購入に関して、10,000円以上になると購入をためらう人が多いことが分かっている。

　そこでRECLOでは、ハイブランド品の委託販売というCtoBtoCの取引形態をとっている。RECLOに預けられた商品はベテランの鑑定士が鑑定を行い、100%本物という保証がされた上で販売される。また、商品到着から5日以内の申請で返品・返金処理を行う返金保障制度も行っている。

　さらに、フリマアプリでは、購入に至るまでのやり取りや発送手配などの手間がかかるため、比較的時間に余裕がある人でないと使いにくいという状況もあった。RECLOでは、ハイブランド品がそれに相応しく見えるような撮影から、発送までを手配してもらえる。

高い完売率、還元率の理由

　こういった体制が結果を出し、RECLOへ出品されたハイブランド商品は、出品後約 1 ヶ月で 50％以上が完売、出品後約 3 ヶ月 で 80%以上が完売している（当社 2016 年 10 月～2017 年 1 月実績）。 常時10チャンネル以上の同時併売システムも備えており、国内外に広い販路を持つことも強みだ。また、委託販売という在庫リスクを伴わない RECLO 独自の販売手法により、同業買取業者の 1,5～2 倍の出品者への還元が可能となっている。

　そんな中、出品者にさらに安心してサービスを利用してもらえるようにするのが、今回開始される「買取保証サービス」だ。このサービスでは、RECLOに委託出品された商品について、出品後60日以内であれば、当初の査定価格でRECLOが買取保証を行うことになっている。これにより、RECLOは「あんしん・あんぜんサービス」として正規品保証・返品保証・買取保証の3つの保証を提供していくことになる。

　リユース業界において、従来、その場で再査定をして買い取る業者はあったが、相場変動等があっても60日間変わらない査定価格を約束するという点で、このサービスは業界初の新しい取り組みとなる。出品者の「いつ売れるか心配」「受け取れる金額を確定させたい」「結局売れずに無駄な手間だけがかかる」という懸念点を解決することで、RECLOの利用がより活発になっていくだろう。

リユース業界の変化とEC業界の新たな領域

　CtoC-EC市場の成長はBtoC-EC市場にとっては、消費者の購買心理や行動の変化という点で影響している。フリマアプリなどを日常的に利用する消費者は、何かを買う際にいくらで売れるかという相場まで考えて行動するようになっているようだ。安さはもちろん必要だが、多少高くともきちんと売れる質の良さやブランドも重視される。BtoC-EC事業者は、この市場の相場も参考にしていく必要がある。

　新たな市場には、新たなユーザーのニーズが現れている。RECLOでは、手間なく高額で販売できる「スマートリユース」という新しいモデルを実現するとともに、これをリユース業界の新しいスタンダードとすることを目指している。

　CtoC市場の問題を解決するRECLOが提供するようなサービスが登場することで、CtoC取引が新たな層へと広がるとともに、扱う商品による棲みわけもされていくのではないだろうか。