AI時代の検索動向「要約のみ」「サイトで深く理解」で二極化 ヴァリューズ調査
株式会社ヴァリューズは2026年6月25日、人々の検索がAIによってどのように変化しているかを調査した結果を発表した。
なお、本調査はヴァリューズが保有するPC及びスマートフォンのブラウザログデータを集計したものとなる。対象検索エンジンは「Google検索のみ」であり、他の検索エンジンは含まれない。
Google検索の利用者は堅調に推移
生成AIが急速に普及した2023年以降、Google検索の利用者は堅調に推移している。AI検索により、検索後の流入率が注目されがちではあるが、検索エンジンの利用者数の増加も同時に起きており、多角的な視点で捉えることが必要となる。

※画像元:【調査リリース】AI時代の検索動向:「要約で満足」と「サイトで回遊」に二極化(株式会社ヴァリューズ)
検索結果画面からサイトに遷移する割合(流入率)は、生成AIが普及する2023年以前から減少している。
一方で、商品やサービスの購入検討に関わる「コマーシャルクエリ」については、検索全般と比べると依然として高い流入率となっている。
ヴァリューズはこの結果について「日常の単純な疑問は検索結果画面やAI Overviewsで解決されている一方、より詳細な商品情報や比較情報などは検索結果からサイトに流入して確かめられていると考えられます」とコメントしている。
※画像元:【調査リリース】AI時代の検索動向:「要約で満足」と「サイトで回遊」に二極化(株式会社ヴァリューズ)
※今回の調査では、各クエリを下記のように定義。
・コマーシャルクエリ:家電、自動車、コスメ、旅行、不動産などのキーワードに「おすすめ」「比較」「レビュー」などを掛け合わせたもの。
・検索一般:検索クエリの全体で、ナビゲーショナルクエリ(指名検索)を除いたもの。
滞在時間が伸びる傾向が確認
2023年以降、Google検索からサイトに遷移後の直帰率が減少し、滞在時間が伸びる傾向が確認されている。
これは、検索結果画面で解決するようなシンプルな質問が淘汰された結果、サイトに流入するユーザーは正しい情報源で「より深い情報を得たい」という意欲が高い層に純化されている可能性を示唆している。

これらの結果は、生成AIの普及は単なる「検索流入の減少」を意味するのではなく、ユーザーが「AIで済ませる情報」と「サイトでじっくり読む情報」を無意識に選別し始めたことを意味している。
企業側には、AIの概要では得られない、より専門的で深い体験価値を提供するコンテンツ作りが求められている。
流入後のサイト回遊状況にも変化が生じている
株式会社ヴァリューズ データプロモーション局 ゼネラルマネジャー 齋藤ロベルト義晃氏は、本調査結果について次のようにコメントしている。
「マーケターにとって重要なのは、検索からの自身のサイト流入数が減ったという表面的な変化を恐れるのではなく、『流入してきたユーザーの行動が変化している』という事実を捉えることです。日常の単純な疑問がAIを活用することで処理されるようになったことに加えて、『おすすめ』『比較』『レビュー』といったワードに対してAIが出力する内容を見ながらサイトを訪れるユーザーは、明確な目的や深い検討意欲を持っている可能性があります。今回の調査で明らかになった、直帰率が下がり、滞在時間が伸びているデータは『事前知識』を身に着けた上で流入し始めているユーザー行動の変化を捉えていると言えるのではないでしょうか」
ユーザーがウェブサイトに遷移せずに検索を終える「ゼロクリック」が増加しているとも言われる中、クエリの種類によってサイトへの遷移に差があることや、流入後のサイト回遊状況にも変化が生じている実態が明らかになった。
こうした事実を把握した上で、適切なECサイト設計を検討したい。


