EC事業経営者、約4人に1人が「AIに期待していない」 メルカート調査
株式会社メルカートは2026年6月17日、「データ統合に対する意識調査」より、AI活用への姿勢とデータ統合の有無による経営力格差に関する結果を発表した。
調査概要
◆調査名:メルカートデータ統合に関する意識調査
◆調査方法:インターネットアンケート
◆調査対象:EC事業を展開する企業の経営層
◆有効回答数:400名
◆調査時期:2026年3月25日~3月26日
◆出典:メルカートデータ統合に関する意識調査(株式会社メルカート)
約4人に1人の経営者が「AIに対して冷めた目」
「AI導入によって、自社のEC経営にどのような変革を期待するか」をたずねたところ、最多回答は「特に期待していない」(24.3%)となった。
これは「攻めの在庫・販促計画」(22.8%)、「LTV最大化」(20.8%)、「戦略立案への集中」(17.3%)、「業務標準化」(12.8%)といった具体的な期待を上回っている。約4人に1人の経営者が、AIに対して冷めた目を向けている実態が明らかになった。

さらに、「AIの仕組みについてどう感じるか」を質問。その結果「ツールとしては使うが、最後は人間が判断すべき」(14.8%)、「懐疑的」(9.8%)、「必要性を感じない」(9.0%)、「特に何も感じない」(18.8%)を合わせると、AIに対して慎重、無関心な層が過半数を占めた。

投資行動はくっきりと二極化
AIに期待する経営者層(n=294)では、87.8%が2026年度のIT・システム予算で何らかの項目を増額する予定と回答した。一方、AIに期待しない経営者層(n=97)では、85.6%が「増額する予定のものはない」と回答している。投資行動はくっきりと、二極化していることが明らかとなった。

AIに期待する経営者層(n=294)に「自社におけるデータ統合の現状」をたずねたところ、「すでに統合済み(リアルタイム活用中)」と「進行中(活用にタイムラグあり)」を合わせて、データ統合に取り組んでいる企業は51.7%にとどまった。
メルカートはこの結果について「AIに期待を寄せる経営者ですら、約半数はAIを活かすために必要なデータ統合の土台をまだ整えられていないという実態が見えてきます」とコメントしている。
一方、AIに期待しない経営者層(n=97)では、データ統合に取り組んでいる企業はわずか9.3%にとどまり、AI期待派(51.7%)と比べて5倍以上の差が生じていた。

本当の差を生むのは「データ統合」
本調査では「経営会議などで複数データを跨ぐ集計が必要な数字を求められた際、手元に届くまでにどのくらいの時間を要するか」を、データ統合の状況別にクロス集計している。
データ統合済み企業(n=97)では58.8%が「即時取得(リアルタイムにダッシュボードで見られる)」と回答した。一方、データ統合に消極的な企業(n=130/「課題ではあるが影響なし」「優先度低・機会損失なし」回答者)では、即時取得できる割合は16.2%にとどまり、約3.6倍の差が生じていた。

メルカートは本調査結果について、次のようにコメントしている。
「AIに期待を寄せること自体は、経営姿勢として重要です。しかし、その期待を実際の経営成果に変えるには、AIが扱えるデータが『統合され、即時に活用できる状態』になっていることが大前提となります。データ統合という土台なしにAIだけを語っても、経営判断のスピードは上がらない。本調査が示すのは、そのシンプルな事実です」
AIブームの陰でデータ統合に取り組んでいる企業と、取り組めていない企業の間には静かに、しかし確実に「経営力の格差」が広がりはじめている。今後の競争力強化のためにも、EC事業者としては単なるツールの導入にとどまらない、データ基盤の整備そのものを見直す必要がありそうだ。


