越境ECでの海外販売を後押しする フェデックスの物流サービスが拡充!

野中 真規子

世界全体でECの市場規模が成長する中で、越境ECで販売される商品の物流サポートに注力するフェデックス エクスプレス。
今後はとくに、中小企業や地方企業の海外販売に拡大の余地があるととらえ、越境EC物流に特化したサービスの拡充を行っている。代表者の久保田圭氏に取材し、サービスへの思いや物流ネットワークの革新、EC事業者へのメッセージなどを伺った。

信頼できる輸送サービスを提供し続けること

――感染拡大の影響で、一部の国際輸送サービスが停止されたこともありましたが、御社はその間サービスを継続して物流を動かし続けてきました。

久保田氏 新型コロナウイルス感染拡大は国際輸送を混乱させました。業界全体でまだその影響があり、最近ではロシア・ウクライナ情勢の影響もありますが、当社がその中でサービスを継続できているのは、自社で構築した物流ネットワークを持ち、それを柔軟に調整しているからです。フェデックスは物流会社であり航空会社です。当社の貨物機と物流施設や配送車両を駆使して、物流への影響を抑えられるように努めています。

越境EC事業者にメリットがある輸送サービスの開始

――国内事業者の越境ECに特化した輸送サービスを提供されています。

久保田氏 新たな国際輸送のサービスラインである「FedEx インターナショナル・コネクト・プラス」(以下、FICP)の提供を開始しました。特長は配送にかかる時間と価格のバランスです。特にBtoCの越境ECを行う事業者に使って頂きやすいように設計されており、より費用対効果の高い輸送ソリューションを求める声に応えたサービスです。
海外のリサーチによると、EC購入者の約4割が購入を断念する理由として高額な送料を挙げているそうですし、EC購入者はいま、製品の良し悪しだけでなく購入する時の体験を大切にしているので、輸送は越境ECの顧客満足度にも影響します。

FICPは、主にアジアのサービス対象地域に通常1〜5営業日以内で商品を配送できます。指定日配送ができる点も、越境EC事業者と商品を受け取る購入者双方にとって、物流を管理できるメリットです。越境ECで販売されることが多い比較的小型の商品の出荷(10キログラム未満)に最適です。

もちろんフェデックスの他のサービス同様、輸送中の貨物の情報が分かるトラッキングや、通関手続きもサービスに含まれています。SMSやEメールで荷物の到着予定を通知する、FedEx Delivery Manager というツールを併用すれば、購入者自身で都合に合わせて商品の受け取り方法や日時を指定できます。

出荷の手間を削減できる便利なオプションサービスやシステム連携も

――輸送サービスだけではなく、準備もサポート頂けるそうですね。

久保田氏 はい、「輸送準備サポートサービス」というオプションです。越境ECの商品発送業務を効率化するものですが、特にスタートアップのEC事業者の皆さんにお役立て頂けると思います。具体的には、航空貨物運送状やコマーシャルインボイスなどの貿易に必要な書類をフェデックスが代行して作成したり、海外輸送向けに適切な梱包を行ったりします。越境EC事業者の皆さんには、発送する商品をフェデックスが指定する国内の拠点に送って頂き、その後代行で作成した書類と合わせ、梱包してフェデックスの国際輸送で配送するという流れです。

このオプションは発送時の状況に応じて活用できるのがポイントです。例えば越境ECの繁忙期や販売数が急速に伸びた場合などに、新たな人員の確保やその他のリソースに追加で投資をしなくても、ビジネスが継続できるようなサポートとして活用できます。加えて、商品の在庫を保管する倉庫の確保や在庫管理を行うサポートも行っています。国際輸送サービスと合わせて利用することで、倉庫からお客様の基に商品が届くまでのプロセスを一貫で管理できるメリットがあります。

この輸送準備サポートサービスも、お客様からの要望に応えて開始したものです。グローバルでサービスを提供する当社ですが、各国・地域それぞれに違ったお客様のニーズがあるため、その要望に応えられるよう取り組んでいます。

――ECビジネスをサポートするシステムとの連携はどう進んでいますか?

久保田氏 越境ECの業務効率を考えると、やはり様々な支援システムを活用して効率を上げたいと考える事業者が多いと思います。我々も、越境EC向けの出荷管理システムとフェデックスのシステムを連携させて、より簡便にサービスを利用いただけるよう取り組んでいます。例えばShip&Coとは昨年連携を開始しているので、発送業務管理とフェデックスのサービス利用時の送り状の作成を同一のシステムで行うことができます。このようなシステム連携は今後進めて行きたい取り組みの一つです。

日本の中小企業、地方起業の海外への拡大を物流で支援

久保田氏 越境ECの市場規模は世界的に成長し、新型コロナの感染拡大でさらに勢いを増しました。感染拡大の落ち着きから、国際間の移動の制限が段階的に解除されているとはいえ、旅客航空便が感染拡大前の状況に戻るのは2024年とされています。各国から観光客が来日していたころのインバウンド消費が激減した中、これまで貿易を行ってきた企業に加えて、中小企業や地方産業にとっても、越境ECはビジネス拡大の手法として有効ではないでしょうか。

越境ECビジネスの特徴の一つは、企業の拠点が大都市にある必要がないことです。魅力的な製品があれば、どこでもビジネスができます。地方の特産品や伝統技術を使用して、より現代の購入者のニーズに合わせた商品開発で、購買意欲を喚起して積極的に海外販売を行う地方の企業を目にします。また、地方に拠点を置く企業が、アニメやゲーム関連商品、釣り具やキャンプ用品、楽器等といった趣味関連の商品など、最近越境ECで人気が高いとされる商品を販売して成功しています。

フェデックスではこのような地方の越境EC事業者に、よりニーズに合った輸送ソリューションを提案したいと考えています。具体的には、三大都市に加えて各地域(北信越、中国・四国、九州地方)に営業担当チームを配置して、その地域のビジネスや地方産業について良く理解した担当者が物流をサポートしています。さらに6月からは北海道にも担当者を置く予定もあります。
また料金面でも、特に地方に拠点を置く事業者により使いやすい価格帯になるよう、取り組みを進めているところです。

フェデックスが継続的に行っているのは、特に変化の速い越境EC市場やお客様の輸送ニーズに対応する、サービスの提供と物流ネットワークの構築です。フェデックスはこれからも変化を見極め、対応して一歩先を行く企業であり続けるとともに、より身近にお客様のビジネスの拡大をサポートできるよう努めて参ります。


記者プロフィール

野中 真規子

ライター。著書(電子書籍)『片付けられない、という「思い込み」をなくして、今すぐ片付けるための本』(ハウスキーピング協会)が好評発売中。ECのミカタにおいては、ECサービスのお話から伝わる本質的なメッセージを受け取り、拡散することが歓びです。

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