『ローソンフレッシュ』が2018年8月末で終了

ECのミカタ編集部

株式会社ローソンは、ネットで注文した生鮮品などの商品を宅配するサービス『ローソンフレッシュ』を2018年8月末で終了することを公表した。

5年目の終幕

コンビニチェーンを展開するローソンは、同プラットフォームを活用して提供していた、戸配で生鮮食料品などを届ける「ローソンフレッシュ」のサービスを8月末で終了することをアナウンスした。

ローソンフレッシュは、2013年初めに同社が開始した「スマートキッチン」をもとに翌年6月に内容を再編してスタートしたネットサービスだ。生鮮品を中心にローソンで取り扱われるアイテムなどをネットで注文すると、自宅に配送される仕組みとなっている。

また同社では、サービスの終了を前に、「『ローソンフレッシュ』大感謝セール」を実施することもあわせて発信している。同キャンペーンは、「2018年8月1日(水)10時~2018年8月20日(月)12時」の間に行われ、期間中に商品を購入したユーザー全員にPontaポイント4倍が進呈される。さらに首都圏のユーザーには、2,500円(税込)以上購入すると送料無料が適用されるという(同キャンペーンは、カート購入のみが対象)。

<サービス終了までのロードマップ>
・商品販売停止日:2018年8月20日(月)12時
・商品出荷完了日:2018年8月31日(金)
・口座振替利用停止:2018年7月31日(火)12時

代替サービスは「ローソンフレッシュピック」

代替サービスは「ローソンフレッシュピック」

「ローソンフレッシュ」は終了するが、すでに展開されている「ローソンフレッシュピック」を代替するサービスとして位置付けている。「ローソンフレッシュピック」は、東京都および神奈川県の一部地域200店舗強で提供されており、ミールキットや成城石井などの商品をアプリで予約し、後にローソンで購入できるサービスだ(例えば、朝8時までに予約すれば、同日の18時以降、ユーザー指定のローソン店舗に商品が届く仕組み)。

結果としてローソンのオムニチャンネル化が進むか?

サービス終了の背景については各種の報道がなされているが、物流コストの高騰や利用者の伸び悩みを理由としているものが多い。いわゆるネットスーパー、それも大手プラットフォームのひとつ、ローソンが展開していたサービスが約5年で終了となる点については、EC市場に少なからぬ波紋を巻き起こす可能性もある。

もちろんEC市場という面でも小売、あるいはコンビニ業界という面でも、日々熾烈な競争の中にあり、売上もしくは利益率で成長性が見込めないという経営判断に至れば、その結果としてサービスを閉じることは、一般的に言ってやむを得ない事とも言えるだろう。

一方で同社は、「ローソンフレッシュピック」という代替するサービスの展開をすでに始めており、戸配よりは各店舗での受取・購入をうながした方が、「ついで買い」を含めた各加盟店の活性化にもつながると考えているとも推察できる。この点をみれば、今回のサービス終了は、ローソンチェーンのオムニチャンネル化を推進する流れとも取ることも可能だろう。

また一説には、終了する「ローソンフレッシュ」は本部の売上となっているが、代替する「ローソンフレッシュピック」は加盟店の売上として計上されているとも言われており、その意味でも結果として各店舗のテコ入れになるという意味合いは大きそうだ。

今後、「ローソンフレッシュピック」の対応エリア拡大がどう進むのかと共に、他のネットスーパーがどのような動向を示していくのかにもぜひ注目したい。

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