データ移行のプロに聞く、 ECカートリプレイスの注意点

ECのミカタ編集部 [PR]

データ移行のプロに聞く、 ECカートリプレイスの注意点 (写真左)株式会社HAT 代表取締役 南 壽郎
(写真右)株式会社HAT 開発部マネージャー 森田 隆一郎

目指すべき集客や接客の形を実現するためには、他のカートシステムへのリプレイスが必要になることも。そんな時に頼りになるのが、個人情報や購買データなど機密性の高い情報を安全に移行してくれるHATの「データお引越し便」だ。今回はそんなデータ移行のプロに、カート乗り換えの最適なタイミングや注意点について伺った。

“引っ越し”のプロが語る、 データ移行の難しさ

―HATの事業内容について教えてください。

 株式会社HATは、システム開発をメインに、ホームページ制作やWeb広告の代行など、インターネットに関わるあらゆることを請け負っていました。今注力しているのは「データお引越し便」です。ECカート上のデータ(顧客データ、応対履歴、注文データ、カード情報、商品データなど)をEC事業者の運用や、リプレイス先のカート仕様に合わせて安全に移行するサービスです。

―これまでどのようなデータ移行に対応してきましたか?

 ECのプラットフォームを手掛けるベンダーは日本におよそ60社あり、80ほどのカートシステムが稼働しています。当社はその主要なシステムのほとんどに対応してきました。データ移行を専門にしている会社はほとんどなく、お困りの事業者が多い割には、まだサービスの届いていない分野だと思います。

―センシティブな情報を扱うため、多くの企業が手を出しにくいのでしょうか?

森田 そうですね。データ移管はリプレイス先のカートのベンダーですら請け負うことをためらう作業です。移管前のデータを解析するのも大変ですし、他社のシステムなので、どのような形式のデータが入っているかも分かりません。高リスクゆえに、ベンダーによってはデータ移行に関してはノータッチとする場合もあります。

 データ移行を難しくしている大きな要因は、システム同士の言語が共通化されていないことです。例えば「顧客ID」というカラムが移行先のシステムでは「カルテ番号」と呼ばれていたり、顧客を管理するステータスが移管前は3個なのに対して、新システムでは10個あるなど、カートが違えば蓄積されているデータは全くの別物です。

―まるで言語を翻訳するようですね。

 そうです。システムAからシステムBにリプレイスする際、どのデータをどこに乗せ換えるか。データをまとめるか、分割するか。一つ一つ検討しながら進めていかなくてはなりません。

ECカートを乗り換えるタイミングとは

―事業者はどのタイミングでECカートを乗り換えるべきでしょうか?

 多いのは事業が拡大するタイミングです。1日当たりの注文件数、出荷件数のボリュームが大きくなり、既存のシステムでは対応できなくなってきたフェーズですね。1日の出荷数でいうと1,000件前後が、移管を検討する目安になります。他には顧客に対するサービス拡充のためにECカートを変更するケースがあります。あとは定期販売に注力するタイミングですね。

―カートのリプレイスは、非常に大きな決断だと思います。

 はい。もちろんデータの移行は絶対に失敗できない作業ですが、それ以外にも、カートが変わったことによる顧客離れへの不安もあります。カートシステムごとに特徴は異なります。ある部分ではUI/UXが改善されても、一方で使い勝手が悪くなる部分もあるかもしれません。そのため、顧客へのケアが必要になります。データ移行を当社にお任せいただくことで、事業者には顧客と向き合うリソースを確保いただければと考えています。

リプレイスの注意点

―ECカートのリプレイスに関して、注意すべき点はありますか?

森田 EC事業者は既存カートについては把握していても、移行先のカートの仕様は導入するまで分からない部分も多いです。データ項目、取り込み機能の要件、カード情報の移行方法など、調査だけでも大きな工数がかかります。また、データの変換や加工、さらにはそのデータの検証やリプレイス先のカート会社とのすり合わせも不可欠です。特にカード情報や決済関連については、注意が必要です。

―事業担当者がデータ移行を行う場合、ミスはよく起こるのでしょうか?

森田 EC事業者がご自身でデータ移行された案件で、不具合の相談を受けたことがあります。カード情報がきちんと移行できておらず、定期注文の決済が通らなくなっていました。データ形式に誤りがあると、お客様に商品をお届けすることができません。別の商品が届いたり、指定日に商品が届かないといった事例もよく耳にします。

―やはりデータ移行はHATに依頼するのが良さそうです。ちなみにHATの強みは、どのような点でしょうか?

森田 経験によって裏打ちされた知見とノウハウですね。当社は国内主要カートのデータ形式や取り込み要件を把握しています。移管専用のシステムをご用意していて、迅速かつ柔軟性の高いデータ変換・加工が可能です。データ検証の流れも非常にスムーズです。
南 EC事業者は、日頃の運用業務をこなしながら移行作業を進めなければなりません。データ移行を当社にお任せいただくことで、移行後の運用検討や顧客対応など、本来必要な業務に集中いただきたいと考えています。ご要望があれば、ECカート選びの段階からコーディネートすることも可能です。

領域にとらわれないデータ整形サービスへ

―今後の展望についてお聞かせください。

 「データお引越し便」で培ったノウハウを基に、EC領域に限らないデータ整形サービスの展開を計画しています。Excelで管理していた会員データをシステムに乗せる時、事業の統廃合によって別の顧客管理システムにデータを移行する必要が出てきた時、さらには顧客データをマーケティングに活用する時など、データの整理や加工が必要になる場面は多いでしょう。

EC事業者とECカート業者、そして、既存システムと新しいシステムをつなぐ架け橋に当社がなれれば幸いです。

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