2017年上半期中国モバイルインターネット市場で最も注目されたセグメント

賈 韶蕾

2017年上半期中国モバイルインターネット市場で最も注目されたセグメント

2017年の上半期、様々な企業による投資政策は自転車シェア事業の競争激化を招きました。

自転車事業と自転車台数の急速な増加によって、自転車シェアサービスの月間利用回数は、年初の急成長を経てオンラインカーシェアサービスの2倍にも及びました。

しかし、3月以降自転車シェアサービスの月間利用回数の成長率そのものは落ち着いてきています。Alipay、DIDI、WeChat等の自転車シェアサービスを提供する企業が増加し大人気を博したことで、同年6月自転車シェア事業は方針転換を余儀なくされました。

モバイルインターネットの発達によって情報収集が手軽にできるようになり、ネットアクセスがしやすい環境が整いました。それに伴い、ユーザーの行動は活発化、多様化しました。

2017年、6億2000万台を超えるユニークデバイスにおいて総合情報発信アプリのサービスが開始されました。
6月の発表によると、上半期は15.1%の成長率を叩き出しています。

一方で情報メディアの発達や変化と共に、垂直情報はユーザーの様々な要求を満たすことを可能にしました。
2017年上半期、垂直情報部門におけるユニークデバイスのスポーツアプリ、金融アプリの月間成長率はそれぞれ23.0%、21.6%を記録しました。

ともに総合情報発信アプリの平均成長率を超えています。したがって垂直情報アプリは今後も大きな成長の可能性を持っている、と言って良いでしょう。

2017年6月、モバイル短編動画アプリは月間閲覧時間数が4億9000万時間を記録し、年初から15.5%の伸びを見せています。
また、月間閲覧回数は25億9000万回に達し、年初から12.1%の伸びを見せています。
モバイル短編動画アプリランキングにおいては、Kuaishouアプリが1位にランクインしており、月間閲覧時間数は4億3000万時間、月間閲覧回数は22億1000万回を記録しています。
そして上半期において最も急速な成長を見せたのがDouyinアプリです。
6月のDouyinアプリの月間閲覧時間数は前月から30.8%増加、月間閲覧回数は43.3%増加しました。
全体的に見て、短編動画部門において人気を博しユーザーが大注目しているのが、Kuaishouアプリ、Douyinアプリ等のような画期的なアプリです。

2017年6月、オーディオアプリが1億2000万台のモバイルデバイスにインストールされました。1月から33.6%の伸びを見せています。
このアプリのユーザー数は、モバイルネットユーザー数全体の中で10.5%と浸透率は低いです。一方で月間利用回数は19億6000万回と、年初から47.6%の伸びを見せています。
総じて、現段階では浸透率の低いオーディオアプリ市場は、今後大きく成長する可能性を秘めているということを示しています。
オーディオアプリのような画面を見ずに利用できるアプリが今後のトレンドになるでしょう。
Igetアプリは、ユニークデバイスにおける月間成長率が68.0%、月間利用回数の成長率が91.5%と、2017年上半期における全てのオーディオアプリの中で最も飛躍しました。


著者

賈 韶蕾 (SHAOLEI JIA)

中国山西省出身、2010年来日し、2015年に(株)ヴァリューズに入社。
化粧品や日用品のメーカー企業を中心にコンサルティングを行う。
来日後は日本語の勉強をしながら、日本の人気商品を中国で販売するビジネスを3年間行っていたため、
この“転売”経験を活かし、現在は日本市場のマーケティング調査だけではなく、中国市場の分析事業も担当している。

https://www.valuesccg.com/-/china/