エネルギー価格上昇、「運輸・倉庫」6割近くが「大きなマイナス」 TDB調査

最終更新日:

ECのミカタ編集部

エネルギー価格上昇、企業の9割が「マイナス」 価格転嫁難、約5割で利益減 『運輸・倉庫』『農・林・水産』で 6割近くが「大きなマイナス」

株式会社帝国データバンク(以下、TDB)は2026年7月27日、エネルギー価格上昇による影響についてアンケート調査の結果を発表した。

EC運営のパートナー企業を紹介してもらえるって本当?

調査概要

◆調査期間:2026年6月17日~6月30日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象:全国2万2572社
◆有効回答企業数:1万413社
◆回答率46.1%
◆出典:エネルギー価格上昇による企業への影響調査(株式会社帝国データバンク)

「運輸・倉庫」で約6割が「大きなマイナス影響」

不透明な中東情勢が続くなか、原油やLNG価格は強含みで推移している。電気・ガス・ガソリン料金などエネルギー価格の先行きには、上振れリスクが残っている。

こうした状況を受けて、エネルギー価格の上昇が自社の経営にどのような影響を与えているかを質問。「ややマイナス影響」をあげた企業の割合は52.6%、「大きなマイナス影響」は36.8%となった。合計すると「マイナス影響」は89.4%と約9割にのぼった。

「マイナス影響」の割合を業界別にみると、漁船や農業機械の燃料、天然ガス価格の影響を受ける肥料などへの依存度が高い「農・林・水産」が96.4%。全体を7.0ポイント上回り、最も高かった。

次いで、工場の稼働にともなう電力・ガスの使用に加え、エネルギー価格の高騰が原材料費にも波及しやすい「製造」が94.8%(「大きなマイナス影響」47.0%)。燃料費が主要コストである「運輸・倉庫」が93.5%で続き、うち「大きなマイナス影響」は57.5%と10業界中最も高くなった。

具体的な影響は「原材料コスト上昇」が最多

エネルギー価格上昇による具体的な影響についてたずねたところ、原油由来の材料を含む「原材料・資材コストの上昇」をあげた企業の割合が76.5%で最も高かった(複数回答、以下同)。

次いで「物流コストの上昇」(58.5%)、「光熱費の上昇」(55.0%)が5割を超えて続いた。さらに、それらコストの上昇分を販売価格へ十分に転嫁できず、「利益の減少」(47.1%)に直面している企業も5割近くにのぼった。

業界別に全体を15ポイント以上上回った項目をみると、「農・林・水産」では、エネルギー価格上昇の影響が大きい。一方、価格転嫁が難しい品目もあることなどから「利益の減少」(64.0%、全体比+16.9ポイント)が全体を大きく上回った。

TDBは「卸売」について「『物流コストの上昇』(75.1%、同+16.6ポイント)が高く、商品の調達・配送機能を担う業態の特徴を反映した結果と考えられる」と分析。また、「製造」では「原材料・資材コストの上昇」(92.3%、同+15.8ポイント)が際立った。

自社で「取り組める対策」を進めていくことが重要

TDBは本調査結果について、次のようにコメントしている。

「エネルギー価格の変動要因が不透明な状況は当面続くとみられるなか、政府によるエネルギー関連政策や支援策の強化が求められる。また、企業においても、価格転嫁に向けた仕入価格の見える化や省エネ設備の導入など、自社で取り組める対策を進めていくことが重要となろう」

中東情勢の緊迫化が長期化する兆しに加え、各地で猛暑日や酷暑日が観測されるなか、電気料金をはじめとするエネルギーコスト負担のさらなる増加が懸念されている。

こうした状況を踏まえ、価格改定などについて顧客にていねいに周知するとともに、コスト上昇への対応を進める必要があるだろう。