2017年上半期におけるモバイルインターネットの概要

賈 韶蕾

2017年上半期におけるモバイルインターネットの概要

中国のモバイルネットユーザーのデータベースによると、2017年6月、ユーザーがモバイル端末でネットを閲覧する時間を合計すると延べ742.6億時間にも達することがわかりました。前年同時期から22.5%も増加しています。

2016年後半の閲覧合計時間は13.8%も増加しましたが、2017年前半に関しては7.3%増加しただけに留まりました。
ユーザーの関心や集中力は一日の中で限られており、ネット普及によって大量に溢れかえった情報はユーザーにとって既に飽和状態です。
その為大きな成長率を見込むことは難しく、インターネット産業は厳しい市場競争を強いられています。

2017年6月のモバイル端末1台当りの1日のネット訪問回数は20.6回で、同年同時期と比べて1回多い結果となりました。
また、1台当たりの1日のネット閲覧時間は163.3分で、同年同時期と比べて20分長いという結果が出ました。巨大なインターネット企業がエコシステムを創り出すと、市場の様々な企業を活性化さることに繋がります。

ユーザーが簡単にネットアクセスすることができる今日、1日のネット訪問回数の前年比は殆ど変わりませんでしたが、1日のネット閲覧時間は増加しています。この結果から、企業は総合的なネット利用体験を作っていくことが重要だということがわかります。

2017年6月、モバイルネットユーザーの男女比を見てみると、それぞれ55.4%、44.6%であることがわかりました。

また、ユーザーを年代別に比較すると80年代生まれが36.4%、90年代生まれが35.9%と大部分を占めています。
00年代生まれのユーザーは全体の8.9%を占めています。

更にユーザーをエリアごとに比較すると、新富裕層エリアに住むユーザーの割合は12.8%で、旧富裕層エリアより5%高い割合を占めました。

また、貧民層エリアのユーザーは47.5%と最も高い割合を占めました。ユーザーに好まれるアプリは、コミュニケーションアプリ、動画アプリ、ユーティリティアプリです。これらのアプリはユーザーに最も多く利用され、それぞれ90%以上の利用率を誇っています。


著者

賈 韶蕾 (SHAOLEI JIA)

中国山西省出身、2010年来日し、2015年に(株)ヴァリューズに入社。
化粧品や日用品のメーカー企業を中心にコンサルティングを行う。
来日後は日本語の勉強をしながら、日本の人気商品を中国で販売するビジネスを3年間行っていたため、
この“転売”経験を活かし、現在は日本市場のマーケティング調査だけではなく、中国市場の分析事業も担当している。

https://www.valuesccg.com/-/china/